中古ショップの棚で、同じ「White Hot OG」の札が何本も並んでいるのを見たことはないでしょうか。#1、#2 Dot、#5、#7、V-LINE、BIG T——数字とアルファベットだけが違い、値段はどれも1万円台半ば。手がかりが見つからないまま、いちばん見慣れた形を選んで持ち帰り、家のマットで転がしてみたら思っていた方向に出ていかない。5年落ちの中古はそういう買い方をしやすい価格帯です。この記事では、2021年に出たオデッセイのパターを当サイトのDBから全件洗い出し、名前の違いが何を意味しているのかを形状・ネック・3軸スコアで機械的に整理します。
この記事でわかること
- 2021年はブレード・ハーフマレット・マレットがほぼ同数で並んだ、当DBで唯一の年
- White Hot OG が18本もある理由と、モデル名の「S」「CS」が指しているもの
- 形状とトーハングで寛容性・操作性がどう決まるか(決定的なルール)
- 2021年 全30モデルの早見表(形状・ネック・3軸スコア・中古/新品価格)
- 中古で狙うなら、の代表5本と、中古棚で先に見るべきポイント

2021年のオデッセイに何があったか——3つの形状が横並びで揃った年
当サイトのパターDBで brand=Odyssey かつ発売年2021 を抽出すると、30本が並びます。形状の内訳はマレット11本・ハーフマレット10本・ブレード9本。ほぼ三等分です。
これは思っている以上に珍しい並びで、前後の年はどこかに必ず偏ります。1年後の2022年はマレット13本に対してハーフマレットが3本、2019年はマレットが26本と大半を占めていました。2021年だけが、3つの形状を同じ年に横並びで用意しているわけです。
ここから読み取れることは1つです。形状は新しい・古いで並んでいるのではなく、合う・合わないで並んでいる。同じ年に3種類が揃っているということは、メーカーが「どれかが正解」とは考えていないという意味になります。中古棚で形状を絞るときも、発売年ではなく自分のストロークから逆算するのが筋です。
シリーズは4本立て、主役は White Hot OG の18本
シリーズ別に見ると、White Hot OG が18本・DFX が5本・2-BALL TEN が4本・TEN が3本。White Hot OG だけで年の6割を占めます。名前のとおり、長く評価されてきたホワイトホット系インサートの打感を前面に戻した年でした。
残る3シリーズも役割がはっきりしています。DFX は新品定価¥22,000で、この年で唯一の低価格ライン。TEN と 2-BALL TEN は¥41,800の大型マレット群で、いずれもヘッドを大きくして慣性モーメントを稼ぐ方向です。DFX が5本ともマレットかハーフマレットかブレードのどれかに1本ずつ散っているのに対し、TEN 系7本は全部がマレット——ここもキャラクターが分かれています。
トーハング(パターを水平に支えたときフェースがどれだけ下を向くか)の内訳はフェースバランス18本・クォーター5本・フル4本・ハーフ3本で、DBが持つ4種類すべてが揃いました。ネック形状もダブルベンド14本・ショートスラント7本・プラマー5本・センターシャフト3本・アームロック1本と5種類。初心者向き判定は30本中16本がTRUEで、ちょうど半々です。「初心者向きが並んだ年」でも「上級者向きの年」でもない、という分布そのものが2021年の性格を表しています。
White Hot OG が18本もある理由——名前の記号を読み替える
棚で迷う原因は形状ではなく、たいてい名前です。2021年の White Hot OG には #1、#1WS、#1WCS、#2 Dot、#2M、#4M、#5、#5CS、#6MS、#7、#7S、Rossie、Rossie S、V-LINE、BIG T、2-Ball、2-Ball Blade が並びました。数字とアルファベットの羅列に見えますが、DBのネック列と突き合わせると規則性が出てきます。
「S」はショートスラント、「CS」はセンターシャフト
2021年のモデルを機械で突き合わせた結果は、次のとおりでした。
| 名前の記号 | 該当モデル(2021年) | DBのネック | トーハング |
|---|---|---|---|
| S が付く | #1WS/#7S/Rossie S/#6MS | ショートスラント(4本すべて) | ハーフ または クォーター |
| CS が付く | #1WCS/#5CS | センターシャフト(2本とも) | フェースバランス |
| 記号なしの大型系 | #5/#7/Rossie/V-LINE/BIG T/2-Ball ほか | ダブルベンド | フェースバランス |
| 記号なしの番手系 | #1/#2 Dot/#2M/#4M | プラマー(アンサー型の首) | ハーフ または フル |
つまり「S」が付いていればフェースが少し開いて閉じる方向、「CS」と無印の大型系はフェースの開閉が少ない方向と読み替えられます。フェースの開閉量は打ち方との相性そのものなので、名前を見た時点で当たりを付けられるのは実用的です。あくまで目安ではありますが、棚の前で30本を1本ずつ手に取るよりはるかに速い。
いっぽう「#2M」「#6MS」の M や「#1WS」の W のように、DBの列だけでは意味が確定しない記号もあります。ここは推測せず、記号ではなくネック列とトーハング列で判断するのが確実です。この記事の早見表にその2列を入れてあるのはそのためです。「Stroke Lab」は同時期のオデッセイが採用したシャフトの名前で、ヘッドの形状やトーハングとは別の軸になります。
ネックとトーハングの関係そのものは、年をまたいで使える見方です。掘り下げた記事があるので、迷ったらこちらから。
White Hot OG の18本は、ブレード8・ハーフマレット8・マレット2
もうひとつ、シリーズ内訳を見ると納得しやすい事実があります。White Hot OG 18本の形状はブレード8本・ハーフマレット8本・マレット2本。大型マレットはほとんど作られていません。マレットの需要は TEN・2-BALL TEN・DFX 側が引き受けていて、White Hot OG は小ぶりから中間サイズを厚く用意したシリーズだったわけです。
だから「White Hot OG が良いらしい」とだけ聞いて棚に向かうと、マレットを探している人ほど選択肢に当たらないことになります。逆にブレードやハーフマレットを見ている人にとっては、この年のこのシリーズが最も選び甲斐のある層です。

形状で絞る——ブレード9本・ハーフマレット10本・マレット11本
3軸スコアのうち、寛容性と操作性はヘッド形状 × トーハングから決まります。誰が計算しても同じ値になる決定的なルールです。
- マレット × フェースバランス=寛容性★5。ヘッドが大きく慣性モーメントが最大で、なおかつフェースの開閉が最小。芯を外しても顔の向きが残ります。2021年ではDFXの2本とTEN系、White Hot OG の2-Ball/BIG T がここです。
- ハーフマレット × フェースバランス=寛容性★4。マレットほどの慣性モーメントはないぶん★5には届きませんが、構えたときの圧迫感が少ない中間解になります。
- ブレード × フルトーハング=寛容性★1・操作性★5。ヘッドが小さくフェースが大きく開いて閉じるので、球筋を自分で作りにいけます。2021年では #2 Dot・#2M・#4M・DFX #1 がこの組み合わせ。
ここで大事なのは、寛容性と操作性は両立しないということです。両方★5のパターは物理的に存在しません。数値の高いほうを選ぶのではなく、自分がどちらを必要としているかで選ぶ——2021年は3形状が同数で並んでいるぶん、この選択がいちばん素直にできる年です。
私が「大きいほうが安心」で遠回りした話(個人の感想)
私自身、寛容性の高そうな大きいヘッドを新品で買ったことがあります。ミスに強いのだから安心だろう、という単純な理由でした。ところが私のストロークは内側から円を描くアーク寄りで、フェースバランスの大型ヘッドが素直に返ってこない。実戦で噛み合わず、結局は手放しました。逆に長くエースだったのは2ボールのブレードで、2本のラインで方向の迷いが消えたぶん、いちばんパット数が落ち着いた1本です。
※あくまで私1人の例で、統計ではありません。判断の主役は、この記事の早見表とスコアのほうに置いてください。ただ「★の高いほうを買えばいい」で選ぶと遠回りすることがある、という一例にはなると思います。
2021年 Odyssey 全30モデル早見表
2021年に登録されている全30モデルを、シリーズ順・形状順に並べました。スコアはDBの値をそのまま転記しています。価格はDB登録時点の目安で、中古は状態ランクや在庫状況によって実売が前後します(この点は後述します)。「—」はDBに値がない項目で、新品定価の「—」は新品での流通が終わっていることを意味します。
| シリーズ | モデル | 形状 | ネック | トーハング | 寛容性 | コスパ | 操作性 | 中古 | 新品定価 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| White Hot OG | #1 | ブレード | プラマー | ハーフ | ★☆☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★★★ | ¥16,880 | — |
| White Hot OG | #1WCS Stroke Lab | ブレード | センターシャフト | フェースバランス | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ¥18,490 | ¥37,400 |
| White Hot OG | #1WS | ブレード | ショートスラント | ハーフ | ★☆☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★★★ | ¥15,790 | ¥30,800 |
| White Hot OG | #2 Dot | ブレード | プラマー | フル | ★☆☆☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★★ | ¥13,880 | ¥30,800 |
| White Hot OG | #2M Stroke Lab | ブレード | プラマー | フル | ★☆☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★★★ | ¥17,440 | ¥37,400 |
| White Hot OG | #4M Stroke Lab | ブレード | プラマー | フル | ★☆☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★★★ | ¥16,890 | ¥37,400 |
| White Hot OG | 2-Ball Blade | ブレード | ダブルベンド | フェースバランス | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ¥19,880 | — |
| White Hot OG | 2-Ball Blade Stroke Lab | ブレード | ダブルベンド | フェースバランス | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ¥19,890 | ¥37,400 |
| White Hot OG | #5 | ハーフマレット | ダブルベンド | フェースバランス | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ¥16,700 | — |
| White Hot OG | #5CS | ハーフマレット | センターシャフト | フェースバランス | ★★★★☆ | ★☆☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ¥20,380 | ¥30,800 |
| White Hot OG | #6MS Stroke Lab | ハーフマレット | ショートスラント | クォーター | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ¥14,880 | ¥37,400 |
| White Hot OG | #7 | ハーフマレット | ダブルベンド | フェースバランス | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ¥13,500 | — |
| White Hot OG | #7S | ハーフマレット | ショートスラント | クォーター | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ¥13,380 | ¥30,800 |
| White Hot OG | Rossie | ハーフマレット | ダブルベンド | フェースバランス | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ¥13,880 | — |
| White Hot OG | Rossie S | ハーフマレット | ショートスラント | ハーフ | ★★☆☆☆ | — | ★★★★☆ | — | — |
| White Hot OG | V-LINE Stroke Lab | ハーフマレット | ダブルベンド | フェースバランス | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ¥15,880 | ¥37,400 |
| White Hot OG | 2-Ball | マレット | ダブルベンド | フェースバランス | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | ¥18,880 | — |
| White Hot OG | BIG T Stroke Lab | マレット | ダブルベンド | フェースバランス | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | ¥17,880 | ¥37,400 |
| DFX | #1 | ブレード | プラマー | フル | ★☆☆☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★★ | ¥11,840 | ¥22,000 |
| DFX | #7 | ハーフマレット | ダブルベンド | フェースバランス | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ¥13,380 | ¥22,000 |
| DFX | Rossie | ハーフマレット | ダブルベンド | フェースバランス | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ¥11,880 | ¥22,000 |
| DFX | 2-Ball | マレット | ダブルベンド | フェースバランス | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★☆☆☆☆ | ¥12,870 | ¥22,000 |
| DFX | Double Wide | マレット | ダブルベンド | フェースバランス | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★☆☆☆☆ | ¥11,880 | ¥22,000 |
| TEN | TEN 2021 | マレット | ダブルベンド | フェースバランス | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | ¥15,630 | ¥41,800 |
| TEN | TEN S 2021 | マレット | ショートスラント | クォーター | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ¥18,290 | ¥41,800 |
| TEN | TEN S Triple Track | マレット | ショートスラント | クォーター | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ¥17,290 | ¥41,800 |
| 2-BALL TEN | 2-BALL TEN | マレット | ダブルベンド | フェースバランス | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | ¥18,380 | ¥41,800 |
| 2-BALL TEN | ARM LOCK | マレット | アームロック | フェースバランス | ★★★★★ | ★☆☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | ¥24,040 | ¥41,800 |
| 2-BALL TEN | BROOMSTICK | マレット | センターシャフト | フェースバランス | ★★★★★ | ★☆☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | — | ¥41,800 |
| 2-BALL TEN | S Triple Track | マレット | ショートスラント | クォーター | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ¥19,380 | ¥41,800 |
表から読み取れること
新品定価は4段階で、DFXが¥22,000、White Hot OG の一部が¥30,800、Stroke Lab シャフトを積む White Hot OG が¥37,400、TEN と 2-BALL TEN が¥41,800でした。30本のうち7本は新品定価の欄が空欄で、これは新品での流通が終わり、いま買うなら中古という状態を指しています。
中古のほうは28本に値があり、¥11,840〜¥24,040・中央値はおよそ¥16,800。2021年は全モデルが2万円台前半までに収まる年です。新品¥41,800の大型マレットも、5年落ちでは1万円台後半の同じ棚に並びます。
コスパ★は中古価格と値落ちの小ささから決まる指標で、★1は「割高」という意味ではありません。値落ちが小さい=人気が続いているモデルほど中古では★が伸びにくく、逆にDFXのように新品価格が低いラインは中古でも★が付きやすい。表でDFXの5本のうち4本が★3に並んでいるのは、そういう理屈です。
この年のもう1つの入口はDFXです。低価格ラインが初心者にとってどうなのかを、別の記事で新旧比較しています。
5年落ちの中古で狙うなら——2021年の代表5本
ここまでの見方(形状で寛容性の上限が決まり、ネックで自分の軌道に合わせる)を踏まえて、寛容性★5から★1まで1段ずつ下りる形で代表5本を選びました。スコアと価格はDBの値をそのまま転記しています。
中古価格については、この記事を書くにあたって中古ショップ(ゴルフドゥ)の在庫を機械で調べました。結果は率直に書いておきます。5本のうち美品クラス(AB以上)の完品だけで相場が立ったのは1本だけで、残る4本は在庫の中心がC・Dランクでした。その4本の価格はC・Dを含む全ランクの完品在庫の中央値です。つまり2021年の中古で問題になるのは「いくらか」より「どの状態か」だということになります。推薦はすべて2019年以降のモデルに限っています。
寛容性★5の上限——大きいヘッドで方向を残す(White Hot OG BIG T Stroke Lab)

Odyssey / White Hot OG(2021年)
BIG T Stroke Lab
寛容性 ★★★★★ / コスパ ★★☆☆☆ / 操作性 ★☆☆☆☆
寛容性★5は、マレット × フェースバランスというDB上の最大値の組み合わせによるものです。ヘッドが大きく慣性モーメントが最大で、なおかつダブルベンドネックでフェースの開閉が最小に抑えられているため、打点が芯を外しても顔の向きが残ります。操作性★1はその代償で、フェースを返して球筋を操るタイプではありません(寛容性と操作性は両立しないので、方向重視の人には気になりません)。White Hot OG 18本のうちマレットは2本だけで、そのうちアライメント補助に頼らない素直な大型ヘッドがこれ。打感で評価されてきたシリーズの中で、いちばんミスに強い側の1本という位置づけです。今回の実測では在庫55本のうち美品クラスの完品が20本あり、5本のなかで唯一美品だけで相場が立ったモデルでもありました。状態を選んで買える数がある、というのは中古狙いでは大きな利点です。
大型ヘッドのまま「ややアーク」に寄せる(2-BALL TEN S Triple Track)

Odyssey / 2-BALL TEN(2021年)
S Triple Track
寛容性 ★★★★☆ / コスパ ★★☆☆☆ / 操作性 ★★☆☆☆
ひとつ前のBIG Tと同じマレットですが、モデル名の「S」が示すとおりネックがショートスラントで、トーハングはクォーターです。フェースがわずかに開いて閉じるぶん、寛容性は★5から★4へ、操作性は★1から★2へ動きました。この1段の差が「S」の意味そのものです。内側から円を描くように振るタイプなら、フェースバランスの★5よりこちらのほうが噛み合うことがあります。さらにこのモデルは2つの白い円のアライメントに3本線(トリプルトラック)を重ねた仕様で、大型ヘッドの寛容性と視覚のガイドを両取りしつつ、軌道はアーク寄りに合わせられる組み合わせ。数値の高いほうを機械的に選ぶと出会えない1本です。今回の実測では在庫4本がすべてCランクで、美品クラスの完品はありませんでした。上の相場は全ランクの完品中央値なので、状態の良い個体を狙うなら上振れを見込んでおくのが安全です。
3軸がちょうど真ん中——迷ったときの中庸(White Hot OG #6MS Stroke Lab)

Odyssey / White Hot OG(2021年)
#6MS Stroke Lab
寛容性 ★★★☆☆ / コスパ ★★★☆☆ / 操作性 ★★★☆☆
3軸がすべて★3という、DB全体でも珍しい真ん中の1本です。ハーフマレット × クォータートーハングという組み合わせから、寛容性も操作性も中間値が出ています。マレットは大きすぎる、ブレードは不安——という人の受け皿がハーフマレットで、そのなかでもフェースの開閉が「少し」ある側。名前の「S」はここでもショートスラントを指しています。コスパ★3は中古¥14,880という価格からの評価で、5本のなかでは2番目に手が届きやすい位置。自分がまっすぐ引くのかアークなのか決めきれていない段階なら、極端に振り切ったモデルより、この中庸から入って自分の傾向を確かめるほうが遠回りが少ないと思います。今回の実測では在庫11本の内訳がB1本・C9本・D1本で、美品クラスの完品はゼロ。上の相場は全ランクの完品中央値です。
ブレードでも方向に強い側——2本のラインで狙いを作る(White Hot OG 2-Ball Blade)

Odyssey / White Hot OG(2021年)
2-Ball Blade
寛容性 ★★☆☆☆ / コスパ ★★☆☆☆ / 操作性 ★★☆☆☆
分類はブレードですが、ダブルベンドネックでトーハングはフェースバランス。だから寛容性★2・操作性★2と、ブレードのなかでは方向性寄りに振れた位置にあります。ブレード × フルトーハングの★1/★5とは別物だと考えてください。そこにオデッセイの看板である2つの白い円が乗るので、狙いを合わせる作業が単純になります。ブレードの構えやすさは好きだけれど、方向の迷いは減らしたい——という人のための組み合わせです。DBでは新品定価が空欄で、新品での流通はすでに終わっています。今回の実測では在庫14本の内訳がB1本・C10本・D3本で、美品クラスの完品はゼロ。上の相場は全ランクの完品中央値です。2ボール系を横断で比べたい人は、この記事が詳しいです。
操作性★5の対極——球筋を自分で作る(DFX #1)

Odyssey / DFX(2021年)
#1
寛容性 ★☆☆☆☆ / コスパ ★★★☆☆ / 操作性 ★★★★★
ここまでの4本とちょうど正反対に立つ1本です。操作性★5は、ブレード × フルトーハングという組み合わせによるもの——ヘッドが小さく、プラマーネックでフェースが大きく開いて閉じるので、球筋を自分で作りにいけます。裏返しに寛容性は★1で、打点が芯を外したときの寛容さは大型マレットに遠く及びません。寛容性と操作性は両立しないというトレードオフが、同じ年の同じブランド内でここまで分かれるのが2021年です。加えてDFXはこの年で唯一の低価格ライン(新品定価¥22,000)で、コスパ★3は5本で最も高い値。アーク軌道の人が5年落ちの中古で入口を探すなら、まず見る棚だと思います。今回の実測では在庫16本の内訳がA1本・C6本・D9本で、美品クラスの完品は1本のみ。上の相場は全ランクの完品中央値です。
中古棚で先に見るのは、価格ではなく状態
今回の実測でわかったとおり、2021年モデルは美品が棚に残りにくい時期に入っています。5年落ちは中古の主戦場で回転が速く、状態の良い個体から先に出ていくためです。表示価格の安さだけで飛びつくと、フェース面の打痕やインサートの劣化を引き受けることになりかねません。ソールの擦れは転がりに影響しませんが、フェース面の状態は打感と初速に直結します。同じモデルでもランクが1段違えば実売は数千円動くので、価格差より状態ランクの差のほうが後悔に効く——2021年に関してはそう考えたほうが安全です。
前年までの Stroke Lab 世代がいまどう評価できるのかは、別の記事でまとめています。2021年と価格帯が重なるので、中古で横断的に探している人は合わせてどうぞ。
まとめ——2021年は「形状から入る」がいちばん効く年
2021年のオデッセイを整理すると、3点に集約できます。①マレット11本・ハーフマレット10本・ブレード9本がほぼ同数で並んだ、当DBで唯一の年。形状は新旧ではなく相性で選ぶもの、という前提がそのまま棚に現れています。②White Hot OG が18本で年の6割を占め、その内訳はブレード8本・ハーフマレット8本・マレット2本。小ぶりから中間サイズが厚い年でした。③モデル名の「S」はショートスラント、「CS」はセンターシャフト——記号はネックを指していて、フェースの開閉量、つまり打ち方との相性に直結します。
そして中古で見れば、30本のうち28本が¥11,840〜¥24,040に収まり、7本はすでに新品での流通が終わっています。形状で絞り、ネックで軌道に合わせ、最後に状態ランクを見る——この順番で歩けば、同じ名前が並ぶ棚でも迷いません。
前後の年もまとめてあります。2年後の2023年は Ai-ONE 元年、前年までは Stroke Lab 世代。年をまたいで比べると、オデッセイが何を積み上げてきたのかが見えてきます。なお1年後の2022年をまとめた記事も用意していて、公開でき次第この場所からご案内します。自分がまっすぐ引くタイプかアークかが分からない場合は、5つの質問に答える診断ツールが近道です。
⚠️ 3軸スコアは、ヘッド形状やトーハングから決まる設計上の指標です。実際の打感・構えやすさ・転がりの相性は人によって異なります。候補をしぼり込んだら、最終的にはゴルフショップの試打やフィッティングで、自分の手とストロークで確かめてください。データは遠回りを減らす地図であって、最後の1本を決めるのはあなた自身です。
ベストスコア86、アベレージ100のアマチュアゴルファー。
身長177cm、体重78kg前後の中肉中背40代ゴルファーです。
2020年にゴルフ開始。
2022年から本格的に練習をするようになったがなかなか上達せずに120前後から変わらず。
試行錯誤しながら、少しずつ上達中。
関東のゴルフ場がメインの月1~2ゴルファーです。









