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PING 2023シリーズ パターの選び方 完全ガイド|新品4万円台で横並びの11本を形状・ストローク・3軸スコアで選ぶ

中古ショップのPINGの棚の前で、値札を見比べて手が止まったことはないでしょうか。DS72、Kushin 4、Shea、Tomcat 14、Mundy。名前は違うのに、どれも2万円台の前半でほとんど差がありません。スマホで調べてみると、新品の定価は11本すべて同じ46,200円。高いほうが良いはず、という分かりやすい手がかりがどこにもないのです。結局、よく聞く名前のアンサーを手に取って、そのまま棚に戻す——そんな帰り道になりがちです。この記事では、PINGの2023年ラインを当サイトのパターDBから全件洗い出し、値段ではなく形状とフェースの動き方で整理していきます。

この記事でわかること

  • PING 2023 の11本は新品定価が全部同額=値段が選ぶ材料にならない年だということ
  • 値段の代わりに使える2つの軸(ヘッド形状とトーハング)の見方
  • 寛容性★5から★1まで、11本が一本の線に並ぶ理由
  • PING 2023 全11本の早見表(形状・ネック・トーハング・3軸スコア・中古/新品価格)
  • 寛容性の端から操作性の端まで1段ずつ下りる代表5本と、中古棚で先に見るポイント
PING 2023シリーズ11本のラインナップ地図。ハーフマレット5本・マレット4本・ブレード2本の形状内訳と、フェースバランス6本・クォーター3本・ハーフ2本のトーハング内訳を集計表で示した図解

PING 2023 の11本は、値段では選べない

当サイトのパターDBで brand=PING かつ series=PING 2023 を抽出すると、11本が並びます。発売年は11本とも2023年。PINGのラインは「HEPPLER」「PLD Milled」のようにシリーズ名がつくものと、この2023年ラインのように年そのものがシリーズ名になっているものがあり、後者は年で切ってもシリーズで切っても同じ11本になります。

そして、このラインには分かりやすい特徴が1つあります。新品定価が11本すべて¥46,200で完全に横並びだということです。DBの `price_new` を集計すると値が1種類しか出てきません。ブレードもマレットも、アームロック仕様まで含めて同じ価格。値段の高さで性能を推測する、という選び方がそもそも成立しない年です。

技術的な中身は、モデルごとに素材を使い分ける構成でした。フェースまわりはPEBAX系のインサートを使うモデル、溝で作るモデル、インサートを持たないモデルが混在し、ボディは304ステンレス・タングステン・ADC12アルミの組み合わせで重心を作っています。カーボンシャフトを標準で搭載するモデルもありました。ただし打感の良し悪しは当サイトのDBに列がありません。数値で持っていないものを数値のように語るのは筋が悪いので、この記事では触れません。代わりに、DBが決定的なルールで持っている寛容性と操作性の2軸で11本を整理していきます。スコアがどう決まっているかは、評価基準そのものを公開した記事があります。

11本の内訳——ハーフマレットが主役の年

11本をDBから機械で集計すると、こうなります。

  • ヘッド形状:ハーフマレット5本・マレット4本・ブレード2本。3種類すべてが揃っていますが、ハーフマレットが最も多いのがこの年の特徴です。
  • トーハング(水平に支えたときフェースがどれだけ下を向くか):フェースバランス6本・クォーター3本・ハーフ2本。フルトーハングはありません。
  • ネック形状:クランクホーゼル8本・ショートスラント2本・センターシャフト1本の3種類。ほぼクランクホーゼル1種に寄っています
  • 初心者向き判定:11本中7本がTRUE。FALSEはAnser・Anser 2D・Kushin 4・Prime Tyne 4の4本です。

ここでネックの内訳に注目してください。同じPINGでも、たとえばHEPPLERは11本でネックが6種類に分かれていました。それに比べると2023年ラインはネックで迷う年ではありません。8割方がクランクホーゼルで、迷いどころは形状とトーハングのほうに寄っています。ネック形状そのものの見方は、パター選び全体で使えるので別記事にまとめてあります。

PING 2023 全11本 早見表

11本を形状順(ブレード→ハーフマレット→マレット)に並べました。スコアはDBの値をそのまま転記しています。価格はDB登録時点の目安で、中古は状態ランクや在庫状況で実売が前後します。中古欄の「—」は相場と呼べる在庫が確認できなかったことを意味します(詳しくは後述します)。

モデル 形状 ネック トーハング 寛容性 コスパ 操作性 中古 新品定価
Anser ブレード クランクホーゼル クォーター ★☆☆☆☆ ★☆☆☆☆ ★★★★☆ ¥22,890 ¥46,200
Anser 2D ブレード クランクホーゼル クォーター ★☆☆☆☆ ★☆☆☆☆ ★★★★☆ ¥22,944 ¥46,200
DS72 ハーフマレット クランクホーゼル フェースバランス ★★★★☆ ★☆☆☆☆ ★★☆☆☆ ¥20,880 ¥46,200
DS72 Armlock ハーフマレット クランクホーゼル フェースバランス ★★★★☆ ★☆☆☆☆ ★★☆☆☆ ¥46,200
DS72 C ハーフマレット センターシャフト フェースバランス ★★★★☆ ★☆☆☆☆ ★★☆☆☆ ¥20,800 ¥46,200
Shea ハーフマレット クランクホーゼル クォーター ★★★☆☆ ★☆☆☆☆ ★★★☆☆ ¥20,880 ¥46,200
Kushin 4 ハーフマレット ショートスラント ハーフ ★★☆☆☆ ★☆☆☆☆ ★★★★☆ ¥22,700 ¥46,200
Mundy マレット クランクホーゼル フェースバランス ★★★★★ ★☆☆☆☆ ★☆☆☆☆ ¥20,899 ¥46,200
Tomcat 14 マレット クランクホーゼル フェースバランス ★★★★★ ★☆☆☆☆ ★☆☆☆☆ ¥21,880 ¥46,200
Tyne G マレット クランクホーゼル フェースバランス ★★★★★ ★☆☆☆☆ ★☆☆☆☆ ¥20,899 ¥46,200
Prime Tyne 4 マレット ショートスラント ハーフ ★★★☆☆ ★☆☆☆☆ ★★★☆☆ ¥21,900 ¥46,200

表から読み取れること

まず新品定価の列が1種類しかありません。¥46,200が11本続きます。長さとロフトも10本が34インチ・3.0度で揃っていて、数字が違うのはDS72 Armlockの1本だけ(38インチ・6.0度)。これは前腕に沿わせて構えるアームロック用のモデルで、そもそも構え方が他の10本と違います。11本のうちこの1本だけは、別枠として考えてください。

中古のほうは、この記事を書くにあたって中古ショップ(ゴルフドゥ)の在庫を機械で調べ直しました。相場を確認できたのは11本のうち10本で、¥20,800〜¥22,944の範囲です。取得できなかったのはDS72 Armlockの1本で、こちらは在庫が1本しか確認できず、相場と呼べる数がありませんでした。1本の値札は在庫が1つあったという事実であって、相場ではありません。ここを埋めた数字に見せかけると、読む人の判断材料を1つ壊すことになるので、表では空欄にしてあります。

もうひとつ、コスパの列を見てください。11本すべて★1で並んでいます。当サイトのコスパ★は中古価格と値落ちのしにくさから決まる指標で、この年のように中古が2万円台前半でまとまっていると、11本とも同じ評価に落ち着きます。つまりコスパ★はこの年の中では差がつかない指標です。★1は「割高」という意味ではなく、比較的新しく中古価格がまだ下りきっていないモデルにつく値だと考えてください。この記事では、選び分けの軸としては寛容性と操作性の2軸だけを使います。

選ぶ基準は「構えたときにフェースがどう動くか」

値段で選べないなら、何で選ぶのか。答えはヘッド形状とトーハングの2つだけです。この2つが決まれば、当サイトの寛容性スコアと操作性スコアは自動的に決まります。逆に言えば、この2つ以外は選び分けの軸になりません。

トーハングというのは、シャフトを水平に支えたときにフェースがどれだけ下を向くかのことです。まったく下を向かない(真上を向いたまま)のがフェースバランス、少しだけ下がるのがクォーター、45度くらい下がるのがハーフ。フェースが下を向くほど、ストロークの中でフェースが開いて閉じる動きが大きくなります。

寛容性と操作性は、形状 × トーハングで決まる

当サイトの3軸スコアのうち、寛容性と操作性はヘッド形状 × トーハングから決定的に計算されます。誰が計算しても同じ値になるルールです。PING 2023 の11本に当てはめると、こうなります。

  • マレット × フェースバランス=寛容性★5・操作性★1。ヘッドが大きく慣性モーメントが最大で、フェースの開閉が最小。打点が芯を外しても顔の向きが残ります。Tyne G・Mundy・Tomcat 14の3本。
  • ハーフマレット × フェースバランス=寛容性★4・操作性★2。マレットほどの慣性モーメントはないぶん★5には届きませんが、フェースの開閉が最小という性格は同じ。DS72・DS72 C・DS72 Armlockの3本がここ。
  • ハーフマレット × クォーター=寛容性★3・操作性★3。フェースがわずかに開いて閉じる方向へ振れた中庸。Sheaの1本です。
  • マレット × ハーフ=寛容性★3・操作性★3。マレットなのにトーハングがはっきりある例外で、Prime Tyne 4がこれ。スコアはSheaと同じ★3/★3ですが、構えたときの見え方はまったく違います。
  • ハーフマレット × ハーフ=寛容性★2・操作性★4。ハーフマレットのなかで最も操作性側に振れた1本、Kushin 4です。
  • ブレード × クォーター=寛容性★1・操作性★4。ヘッドが小さくフェースが開いて閉じるので、球筋を自分で作りにいけます。AnserとAnser 2Dの2本。

ここで押さえておきたいのは、寛容性と操作性は両立しないということです。両方★5のパターは物理的に存在しません。数値の高いほうを選ぶのではなく、自分がどちらを必要としているかで選ぶ。値段が横並びのこの年は、その判断がとくに素直にできます。

なお、この年に操作性★5のモデルはいません。★5になるのはブレード × ハーフ以上のトーハングという組み合わせですが、2023年ラインのブレード2本はどちらもクォーターに収まっているためです。ど尖った操作系を探しているなら、この年は候補になりません。ネックとトーハングの関係をもっと深く見たい場合は、専用の記事があります。ストロークの型が自分でも分からない、という場合は、まずタイプを判定してから戻ってくるのが近道です。

ミスへの強さで並べると、11本は一本の線になる

寛容性スコアの順に11本を並べると、きれいなラダーになります。

  1. ★5:Tyne G・Mundy・Tomcat 14(マレット × フェースバランス)
  2. ★4:DS72・DS72 C・DS72 Armlock(ハーフマレット × フェースバランス)
  3. ★3:Shea・Prime Tyne 4(クォーター/ハーフのトーハングが入る)
  4. ★2:Kushin 4(ハーフマレット × ハーフ)
  5. ★1:Anser・Anser 2D(ブレード × クォーター)

そして操作性は、この順番のちょうど裏返しで★1→★2→★3→★4→★4と上がっていきます。上から下へ1段下りるごとに、助けてもらえる量が減って、自分で操れる量が増える。11本がこれだけきれいに1本の線に並ぶのは、値段という別軸のノイズが無いからでもあります。

以下、この線の上端・中間・下端から代表を選んで見ていきます。すでに別記事で扱っているDS72・Tyne G・Anserは、ここでは表の中の位置づけだけにとどめて重複を避けます。

寛容性★5の上端——ミスに強い側の端(Tomcat 14)

PING 2023 Tomcat 14

PING / PING 2023(2023年)

Tomcat 14

マレットまっすぐ向き(フェースバランス)中古相場 ¥21,880

寛容性 ★★★★★ / コスパ ★☆☆☆☆ / 操作性 ★☆☆☆☆

寛容性★5は、マレット × フェースバランスというDB上の最大値の組み合わせによるものです。ヘッドが大きく慣性モーメントが最大で、クランクホーゼルでフェースの開閉が最小に抑えられているため、打点が芯を外しても顔の向きが残ります。操作性★1はその裏返しで、フェースを返して球筋を操るタイプではありません(両立しない軸なので、方向重視の人にとっては気になりません)。なお、この★5/★1の組み合わせはTyne G・Mundyも同じで、DBの列の上では3本に差がありません。形状もトーハングもネックも同値なので、ここから先はヘッドの見た目とアライメントの好みで選ぶ領域になります(当サイトのDBは見た目を数値で持っていないため、優劣はつけません)。3本のうちTyne GはPINGのマレットをまとめた記事ですでに取り上げているので、ここでは代表をTomcat 14に置いています。DBの初心者向き判定もTRUE。今回の在庫実測では完品31本が確認でき、そのうち美品クラス(ABランク以上)は1本のみでした。

マレットなのにトーハングがある例外(Prime Tyne 4)

PING 2023 Prime Tyne 4

PING / PING 2023(2023年)

Prime Tyne 4

マレットアーク向き(ハーフトーハング)中古相場 ¥21,900

寛容性 ★★★☆☆ / コスパ ★☆☆☆☆ / 操作性 ★★★☆☆

寛容性★3・操作性★3という、11本のなかで最も中央に立つ1本です。マレットでありながらショートスラントネックでトーハングがハーフまで振れているため、大きなヘッドの安心感を残したままフェースの開閉を許すという組み合わせになっています。内側から円を描くように振るタイプの人が「マレットは自分に返ってこない」と感じた経験があるなら、その原因はたいていヘッドの大きさではなくフェースバランスのほうにあります。Prime Tyne 4はその不一致を形状ではなくネックで解消しにいったモデルです。DBの初心者向き判定はFALSE(フェースの開閉を自分で扱う前提だから)ですが、アーク軌道が固まっている人にとってはむしろ素直。数値の高いほうを機械的に選ぶと出会えない1本です。今回の在庫実測では完品53本のうち45本がCランクでした。

操作性側の端——ブレードの入口(Anser 2D)

PING 2023 Anser 2D

PING / PING 2023(2023年)

Anser 2D

ブレードややアーク向き(クォータートーハング)中古相場 ¥22,944

寛容性 ★☆☆☆☆ / コスパ ★☆☆☆☆ / 操作性 ★★★★☆

PINGの原型であるアンサー型を、2023年ラインの文法で作り直した1本です。操作性★4は、ブレード × クォータートーハングという組み合わせから決まります。ヘッドが小さくフェースが開いて閉じるので、球筋を自分で作りにいける側。裏返しに寛容性は★1で、打点が芯を外したときの助けは大型マレットに遠く及びません。DBの初心者向き判定もFALSEです。なお無印のAnserとは形状・トーハング・ネック・3軸スコアがすべて同値で、DBの列の上では中古相場しか差がありません。ここから先は実物の見え方で選ぶ領域になります(無印Anserのほうは、アンサー型の歴代をまとめた記事で扱っています)。アンサー型のフォルムが好きで、寛容性より構えやすさと打ち分けを取る人向けの位置づけになります。今回の在庫実測では完品20本のうち19本がCランクとDランクでした。

私がアンサー型に戻った話(個人の感想)

ひとつだけ書いておくと、私自身が使っているのもPINGのアンサー系で、いまのエースはPLD Milled Anserです。それ以前は寛容性の高そうな大きいヘッドを新品で買ったこともあったのですが、私のストロークは内側から円を描くアーク寄りで、フェースバランスの大型ヘッドが素直に返ってこない。実戦で噛み合わず、結局は手放しました。上のラダーでいえば、私は操作性側の端に寄っている人ということになります。

ただし2023年ラインの11本は、私自身が1本も所有していません。ですからこの記事では、打感・転がり・実際の使用感については書いていません。書けるのはDBのスコアと設計上の事実だけです。※ここに書いたのは私1人の例で、統計ではありません。判断の主役は早見表とスコアのほうに置いてください。アンサー型の歴代モデルを世代で比べたい場合は、こちらが詳しいです。

DS72という「3兄弟」と、ハーフマレット5本の年

この年をいちばん特徴づけているのが、ハーフマレットが5本という内訳です。当サイトのDB全体でハーフマレットは少数派なので、5/11という比率はかなり偏っています。「マレットは大きすぎるが、ブレードでは不安」という層に対して、この年はまとめて答えを出しにいったラインだと言えます。

その中心にあるのがDS72で、DS72・DS72 C・DS72 Armlockの3本は形状もトーハングも寛容性★4も同じ。違うのはネックと構え方だけです。無印がクランクホーゼル、CがセンターシャフトでDS72 Armlockが前腕に沿わせるアームロック仕様。スコアが同じなら、あとは構えたときの見え方と構え方で選ぶという段階になります。センターシャフトという構造が自分に合うかどうかは、専用にまとめた記事があります。

ハーフマレットという形状そのものの選び方(大きさの許容範囲、視線の置き方、ブレードとの見え方の差)は、ブランド横断とPING単体の2本立てで書いてあります。ここでは重複を避けて、2023年ラインの中での位置づけに絞ります。

DS72系とKushin 4の中間解(Shea)

PING 2023 Shea

PING / PING 2023(2023年)

Shea

ハーフマレットややアーク向き(クォータートーハング)中古相場 ¥20,880

寛容性 ★★★☆☆ / コスパ ★☆☆☆☆ / 操作性 ★★★☆☆

ハーフマレット × クォータートーハングで、寛容性★3・操作性★3。DS72系(★4/★2)とKushin 4(★2/★4)のちょうど中間に位置します。まっすぐ引きたい気持ちと、少しは自分でフェースを閉じたい気持ちが半分ずつある——という人の受け皿です。DBの初心者向き判定はTRUEで、フェースの開閉がわずかに入るぶん、フェースバランスの大型ヘッドが返ってこないと感じたことのある人にも入りやすい設計になっています。この年で状態の良い個体を確認できた数少ないモデルでもあり、今回の在庫実測では美品クラス(ABランク以上)の完品が6本そろいました。中古で状態から選びたい場合、11本のなかでは現実的な候補です。

ハーフマレットで最も操作性側(Kushin 4)

PING 2023 Kushin 4

PING / PING 2023(2023年)

Kushin 4

ハーフマレットアーク向き(ハーフトーハング)中古相場 ¥22,700

寛容性 ★★☆☆☆ / コスパ ★☆☆☆☆ / 操作性 ★★★★☆

ハーフマレット × ハーフトーハングで、操作性★4。11本のうちショートスラントネックとハーフトーハングを併せ持つハーフマレットはこの1本だけです。ハーフマレットでありながら、フェースの開閉量はブレードのAnser 2Dに近い。ブレードの操作感は欲しいが、あの小ささは構えたときに心細い——という人のためにある組み合わせです。裏返しに寛容性は★2まで下がり、DBの初心者向き判定もFALSE。フェースの向きを自分で管理する前提のモデルだと考えてください。アーク軌道の人がハーフマレットで探すなら、この年ではまずここに行き当たります。今回の在庫実測では完品51本と数は十分でしたが、美品クラス(ABランク以上)は2本にとどまりました。

中古棚で先に見るのは、価格ではなく状態

今回の在庫実測で、はっきり出た事実があります。相場を確認できた10本のうち、美品クラス(ABランク以上)の完品が3本以上そろったのはAnser・Shea・DS72の3本だけでした。残りは在庫の中心がCランクとDランクで、きれいな個体は棚にあまり残っていません。発売から数年が経ち、状態の良い個体から先に出ていったあとの局面だと考えるのが自然です。

ですから早見表の中古価格は、モデルによって美品クラスの中央値だったりCランクとDランクを含む完品在庫の中央値だったりします。同じモデルでもランクが1段違えば実売は数千円動きます。表示価格の差だけで飛びつくと、フェース面の打痕やソールの深い擦れを引き受けることになりかねません。ソールの擦れは転がりに影響しませんが、フェース面の状態は打感と初速に直結します。新品定価が横並びの年だからこそ、中古で差がつくのは価格ではなく状態のほうです。

初心者向き判定の考え方そのものをブランド横断で整理した記事もあります。1本目や2本目で迷っている場合は、こちらも合わせてどうぞ。

PING 2023の11本から自分の1本を絞る3つの問いのセレクター図。ストロークがまっすぐかアークか、ヘッドの大きさをどこまで許容するか、寛容性と操作性のどちらを取るかの3段で分岐する図解

まとめ:2023年ラインから自分の1本を絞る3つの問い

PING 2023 は、新品定価が11本すべて同額という珍しいラインでした。値段が選ぶ材料にならないぶん、ヘッド形状とトーハングの2つだけで決められる年です。次の3つの問いを順番に通すのが、いちばん短い道になります。

  1. ストロークはまっすぐ引くタイプか、アークを描くタイプか。まっすぐならフェースバランスの6本(Tyne G・Mundy・Tomcat 14・DS72・DS72 C・DS72 Armlock)、アーク寄りならトーハングのある5本(Shea・Anser・Anser 2D・Kushin 4・Prime Tyne 4)へ。
  2. ヘッドの大きさはどこまで許容できるか。大きいほど寛容性の上限が上がります。マレットが落ち着かないならハーフマレット5本、小さいほうが構えやすいならブレード2本へ。
  3. 寛容性と操作性、どちらを取るか。両立しないので、どちらかに寄せます。ミスに強い側の端がTomcat 14(寛容性★5)、打ち分ける側の端がAnser 2D(操作性★4)。迷ったら中庸のSheaとPrime Tyne 4が受け皿になります。

そして中古で探すなら、価格より先に状態ランクを見る。値段が横並びのこの年は、この1点に尽きます。PINGのパター全体を俯瞰したい方、他のシリーズと比べたい方は、ブランドのピラー記事と姉妹記事もどうぞ。

⚠️ 3軸スコアは、ヘッド形状やトーハングから決まる設計上の指標です。実際の打感・構えやすさ・転がりの相性は人によって異なります。候補をしぼり込んだら、最終的にはゴルフショップの試打やフィッティングで、自分の手とストロークで確かめてください。データは遠回りを減らす地図であって、最後の1本を決めるのはあなた自身です。

-ギア・道具