インドアの練習場で、画面に出た数字を手帳に書き写していました。50度で100ヤード。これを覚えて本番に持っていけば、番手選びで迷わなくなるはずでした。ところが同じ日に、同じ50度で、設定だけを変えて5球ずつ打ち直したところ、平均は92.3ヤードにも105.3ヤードにもなりました。手帳に書いた100ヤードは、どの設定のときの数字だったのか。そこで手が止まりました。
この記事でわかること
- 同じ50度・同じ日の5球平均が、モードを変えるだけで92.3〜105.3ヤードまで動いた(幅13.0ヤード)
- 並び順はツアープロ<プロ<アマチュア<ビギナーで、例外なくきれいに出た
- ただし13.0ヤードを丸ごと「設定の差」とは呼べない(自分のヘッドスピードが3.3も振れていた)
- 飛距離は動いても、クラブパスは4モードとも6.1〜6.6でほとんど動かなかった
- 私の場合「ツアープロ設定ではない」だけが確定した。プロとアマチュアは5球では区別がつかなかった
画面に出た「100ヤード」を、そのまま本番の番手選びに使っていいのか
ゴルフシミュレーターの飛距離が本物かどうかは、インドア練習場に通っている人なら一度は気にする話だと思います。ただ、私が引っかかったのは「何ヤード出たか」ではありませんでした。その数字が、どういう条件で出た数字なのかのほうです。
設定画面にモードの名前が出ている、という事実
私がいま通っているのはゴルフネクスト24で、入っている機械はOK ON GOLFです。この機械にはツアープロ/プロ/アマチュア/ビギナーという4段階のモードがあります。打つ前の画面の左下に、いま選ばれているモードの名前が出ています。
つまり、同じ球を打っても、選ばれているモードによって画面に出る数字が変わる仕組みだということです。ではどれくらい変わるのか。メーカーの公式サイトにはモードや補正についての記載がなく、公開情報からは確定できませんでした。調べても出てこないなら、自分で測るしかありません。
同じ50度を、4つのモードで5球ずつ打ってみた
ここからが実測です。数字はすべて、その日に画面へ表示された平均値をそのまま記録したものです。
測り方(隠さずに全部書きます)
- 日時・場所:2026年8月13日/ゴルフネクスト24(OK ON GOLF)
- クラブ:50度ウェッジ1本のみ/球は施設のレンジボール(この機械は自分の球を使えません)
- 球数:1モードあたり5球、4モードで合計20球
- 打った順:プロ → ツアープロ → アマチュア → ビギナー(1モードずつまとめて打ちました)
- ⚠️ シミュレーター側の番手設定は「PW」のままでした(実際に打ったのは50度)。この影響は確認できていません
5球は少ないです。ですので、この記事では「私のこの日の20球では」以上のことを言いません。平均の差を細かい有効数字で語るのも避けます。
結果は92.3から105.3まで、幅13.0ヤード
4モードそれぞれの5球平均です。
| モード | トータル | キャリー | ラン | ボール初速 | ヘッドスピード | ミート率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ツアープロ | 92.3 | 85.5 | 6.8 | 33.6 | 29.5 | 1.14 |
| プロ | 97.4 | 92.3 | 5.2 | 35.5 | 30.8 | 1.15 |
| アマチュア | 100.7 | 94.9 | 5.8 | 36.2 | 30.8 | 1.18 |
| ビギナー | 105.3 | 98.8 | 6.5 | 37.1 | 32.8 | 1.13 |
トータルの幅は13.0ヤード(92.3→105.3)、キャリーの幅は13.3ヤードでした。同じクラブで、同じ日に、続けて打った20球です。

順番はきれいに並びました
ツアープロ<プロ<アマチュア<ビギナー。トータルもキャリーも、この順番から外れたモードはありませんでした。順番が乱れていないということは、この4段階が飛距離の出方に一貫して効いていると読めます。数字がでたらめに揺れているわけではない、という点は先に押さえておきたいところです。
この13ヤードを、全部「設定の差」と言ってはいけない理由
ここが、この記事でいちばん書きたかったところです。13.0ヤードという幅は出ました。ですが、その全部がモードのせいだとは言えません。
ヘッドスピードが3.3も動いていた
もう一度、上の表のヘッドスピードの列を見てください。29.5から32.8まで、3.3も振れています。ヘッドスピードは自分の振りの速さそのもので、機械が補正する種類の数字とは考えにくい値です。つまり20球のあいだに、私自身の振りが変わっていたということになります。
自覚もあります。私の技量では、20球をずっと同じ感じで打ち続けることができません。疲れてもきます。
最後に打ったモードが、いちばん速くていちばん飛んでいた
打った順は、プロ→ツアープロ→アマチュア→ビギナーでした。最後に打ったビギナーが、ヘッドスピードで最速(32.8)、トータルでも最長(105.3)です。体が温まってきたことと、いちばん長い数字が出たことが、同じ向きに並んでしまっています。
ですから正直に書きます。13.0ヤードのうち、どこまでがモードで、どこからが自分のブレなのかは、この20球では切り分けられません。
次に測るなら、モードを交互に打ちます
反省点ははっきりしています。1モードずつまとめて打ったので、疲れや温まりがモード差に混ざりました。次は、プロ→アマチュア→プロ→アマチュア…とモードを交互に打ちます。そうすれば疲労が両方に等しくかかるので、差のほうは打ち消し合ってくれます。球数を増やさなくても精度が上がる方法なので、同じことを試す方はここだけ真似してもらえればと思います。
数字が動くのは、モードだけではありません
条件はもう2つあります。機種と球です。
球が違うだけで、約10ヤード動きます
以前通っていたマイゴルフレーンの機械はGOLFZONで、こちらは自分のボールを使って測定できました。同じ機械でレンジボールと自分のボールを打ち比べたときの差は約10ヤードで、自分のボールのほうが飛び、弾道も高く、回転数も多く出ました。
いま通っているOK ON GOLFはレンジボールのみです。機種が変わると、使える球まで変わります。数字を比べたいときは、ここも揃っているかを見る必要があります。
番手によって、モード差の大きさが違います
今回測ったのは50度のウェッジで、ツアープロからアマチュアまでで8.4ヤード、端から端でも13.0ヤードでした。ウェッジではそこまで大きな違いは出なかった、というのが打ったときの実感です。
一方で、私の体感としてはドライバーのほうがずれます。ツアープロとアマチュアで20ヤードほど違うと感じているのはドライバーのほうです。
ここは書き方に気をつけたいところです。ウェッジの実測でドライバーの体感を否定することはできません。番手が違うものを突き合わせて「体感のほうが大げさだった」と結論するのは、比較として成立していないからです。ドライバーのモード比較はまだ測っていないので、この記事では体感だと明記したうえで置いておきます。
飛距離は動いても、スイングの計測値は動きませんでした
面白かったのはここです。4モードのクラブパス(インから入るかアウトから入るか)の平均は、6.1/6.2/6.6/6.6でした。飛距離が13ヤード動いているあいだ、この列はほとんど動いていません。
ここから読めるのは、モードが動かしているのは距離まわりであって、スイングそのものの計測値ではなさそうだということです。もしそうなら、練習の指標としてクラブパスやフェース向きを見ているぶんには、モードを気にしなくてよいことになります。気にするべきなのは、距離の数字を持ち帰るときだけです。

では、自分は何モードで練習すればいいのか
ここで答えを出せたら気持ちがいいのですが、出せませんでした。出せなかったことも含めて書きます。
現場の1番手と突き合わせる
物差しにしたのは、実際のコースでの50度です。私の場合、50度は本番でだいたい100ヤードでちょうどという感覚があります。刻みで何度も使う距離なので、自分の中でいちばん精度が高い番手です。ただしこれは体感であって実測ではありませんので、1ヤード単位の話としては扱いません。
| モード | トータル | 本番の「50度=約100ヤード」との差 |
|---|---|---|
| ツアープロ | 92.3 | −7.7(明確に短い) |
| プロ | 97.4 | −2.6 |
| アマチュア | 100.7 | +0.7 |
| ビギナー | 105.3 | +5.3(明確に長い) |
プロとアマチュアは、5球では区別がつきませんでした
ご覧のとおり、プロ(−2.6)とアマチュア(+0.7)は、どちらも「だいたい100ヤード」の範囲に入ってしまいます。5球の平均の差としては、どちらが自分に近いかを決められる差ではありません。ここは未決着のまま置きます。
ちなみに数字だけならアマチュアがいちばん近いのですが、打っている感覚としてはアマチュアは飛びすぎている感じがあります。平均は合っていても体感は合っていない、という状態です。この食い違いは、コースで距離計を使って測るまで決着しません。
それでも「ツアープロではない」は確定しました
収穫はここでした。ツアープロ設定の92.3ヤードは、本番の約100ヤードより明確に短いです。この差は5球の揺れで説明できる幅ではありません。
これが効いてくるのは、ネットで見かける説と食い違うからです。個人の検証ブログでは「実際のコースにいちばん近いのはツアープロモード」と書かれていることがあり、私も一度はそれに合わせようかと考えました。もしその説に従って設定を変えていたら、自分の飛距離を7〜8ヤード低く見積もったまま練習を続けることになっていました。
調べて出てきた一般論より、自分の1番手のほうが強い物差しだったということです。逆に言えば、この突き合わせをやらないかぎり、画面の数字が自分にとって長いのか短いのかは分かりません。モードが選べる機械なら、まずは自分がどれで打っているのかを確認してみてください。
施設そのものの料金や使い勝手については、別記事にまとめてあります。この記事は計測条件の話に絞っているので、通うかどうかの判断はそちらを読んでみてください。
近くに弾道計測のある施設が無い場合は、店舗数の多いところから当たるほうが早いです。
まとめ:数字を疑うのではなく、条件を1行メモしておく
この記事の結論は「シミュレーターの飛距離は当てにならない」ではありません。実際、順番はきれいに並びましたし、クラブパスのように動かない列もありました。機械はちゃんと測っています。足りないのは、その数字に付いているはずの条件のほうです。
ですので、持ち帰りはこの1行だけで足りると思います。
⚠️ 練習の記録に飛距離を書くときは、「機種・モード・球」の3つを一緒に書いておく。この3つが揃っていない数字は、後から自分でも使えません。
私の場合は「OK ON GOLF/プロ設定/レンジボール」と書いておけば、半年後に見返しても意味を持ちます。逆に「50度で100ヤード」とだけ書いた手帳のページは、いま読み返しても何の数字だったのか分かりませんでした。
そしてもうひとつ。その数字を本番の番手選びに使うなら、コースで1番手だけでも突き合わせておくことをおすすめします。全番手をやる必要はありません。自分がいちばん距離感を持っている番手が1つあれば、画面が長めに出ているのか短めに出ているのかは分かります。
インドア練習場そのものの選び方(料金・効果・通い方)は、こちらにまとめています。
ベストスコア86、アベレージ100のアマチュアゴルファー。
身長177cm、体重78kg前後の中肉中背40代ゴルファーです。
2020年にゴルフ開始。
2022年から本格的に練習をするようになったがなかなか上達せずに120前後から変わらず。
試行錯誤しながら、少しずつ上達中。
関東のゴルフ場がメインの月1~2ゴルファーです。



