パターを新しくしてから、スコアカードのパット欄に書く数字が小さくなりました。同伴者に「パター上手いですね」と言われる回数も増えて、これは上達したなと思っていたのです。ところが同じスコアカードの合計欄を見ると、100は切れていない。良くなったはずなのに手元の合計が動いていない、この居心地の悪さが気になって、自分のラウンド記録を替えた日で前後に割って数え直してみました。
この記事でわかること
- 現エースのパターに替えたのは2025年10月26日。2026年10月4日までの記録を前後で割ると、パット数の中央値は36.5→35.0(−1.5打)
- 同じ比較でスコアの中央値は98.0→101.0(+3.0打)。パットは減っても、スコアは良くなっていない
- 交換後は15ラウンド。1ラウンドずつ抜いて数え直しても、パットが減る向きとスコアが良くならない向きは15通りとも変わらなかった
- パーオン率は16.7%→13.9%(−2.8ポイント)。ただし記録を足すたびに向きが動き、1ラウンド抜くだけで差が0になる程度の差だった
- 同じ時期にパター以外に4つ動いている。だから「パターのおかげで減った」とは書けない
パターを替えた日を境に、自分の記録を前後で割ってみました
道具を替えたあとの「良くなった気がする」は、直前の1ラウンドの印象に引っぱられます。私の場合も、パットが少なかった日のことだけをよく覚えていました。そこで、印象ではなく記録のほうを見ることにしました。
替えたのは2025年10月26日でした
いま使っているのは PING PLD Milled Anser です。それまではオデッセイの 2-BALL Ai-ONE を使っていて、期間は1年は使いました(いつから使い始めたかは記録が残っていないので、ここでは書きません)。替えてからは、フェースを少し被せてダウンブローに、フェース面の上側で当てる意識に変わりました。縦回転がかかっているという感覚を、コースでも持てるようになったのがいちばんの変化です。
※このあたりは筆者個人の感想(N=1)です。
この記事が使う母数を先に断っておきます
台帳は127ラウンドで、いちばん古い記録が2020年10月14日、新しい記録が2026年10月4日です。この記事の数字は、すべて2026年10月4日までの記録で数えたものです。前後の比較ではショートコース2会場(該当27ラウンド)を外し、各項目で値が0の行は欠測として外しました。0で外した行は、台帳全体ではパット欄で3件、パーオン率の欄で14件です(前後の比較の範囲では、パーオン率の欄で前と後に1件ずつ)。
⚠️ ショートコースを外したことを「公平にした」とは書けません。該当27ラウンドの最後が2023年12月23日で、比較の窓(交換前1年と交換後)には1件も入っていないからです。外しても外さなくても、この節の数字は変わりませんでした。効いているのは後半の年別の表だけです。
前後で動いた3つの数字
| 交換前1年(2024-10-26〜) | 交換後(2025-10-26〜2026-10-04) | 差 | |
|---|---|---|---|
| ラウンド数 | 28 | 15 | |
| パット(中央値) | 36.5 | 35.0 | −1.5 |
| パーオン率(中央値) | 16.7% | 13.9% | −2.8pt |
| スコア(中央値) | 98.0 | 101.0 | +3.0 |
交換後の15ラウンドは2025年11月24日から2026年10月4日までです。パット数は減りました。一方でスコアは、交換前1年より良くなっていません。パーオン率も数字の上では下がっていますが、この差がどれくらい当てになるかは、次の節で確かめます。
パットは減りました。でもスコアは良くなっていません
15ラウンドという数は、多いとは言えません。ここで「1.5打減りました」とだけ書いて終わるのは不誠実なので、この数字がどれくらい頑丈なのかを先に確かめます。
15ラウンドで言い切ってよいのか
交換後の15ラウンドから1つずつ抜いて、15通りで数え直しました。パットの差は−1.5から−2.0の範囲に収まり、15通りとも減る向きでした。スコアの差は+1.0から+3.0で、こちらも15通りとも増える向き(悪くなる側)でした。この2つは、特定の1ラウンドが作った数字ではありません。
パーオン率は違いました。差は0.0から−5.6ポイントの範囲で、上がる向きになった組み合わせはありませんが、15通りのうち7通りで差が0になります。1ラウンドの出入りで消えてしまう程度の差なので、「パーオン率が下がった」とは言い切れません。
記録を足すたびに、パーオン率の向きが動きました
この記事は、最初は交換後9ラウンドの時点で書きました。その後、台帳にラウンドを足すたびに同じ計算をやり直しています。交換前1年との差を並べると、次のとおりです。
| 台帳の最終記録 | 交換後のラウンド数 | Δパット | Δパーオン率 | Δスコア |
|---|---|---|---|---|
| 2026-03-15 | 9 | −2.5 | −5.6pt | +3.0 |
| 2026-08-16 | 14 | −2.0 | ±0 | +1.0 |
| 2026-10-04 | 15 | −1.5 | −2.8pt | +3.0 |
パットが減っている向きと、スコアが良くなっていない向きは、3回とも同じでした。けれどパーオン率は、下がった→変わらない→また下がった、と向きそのものが動いています。最初の9ラウンドの時点で、私はこの記事に「パーオン率も下がった」と書いていました。5ラウンド足しただけで、その主張は成り立たなくなったわけです。
自分の記録で道具の効果を測ろうとする人に、いちばん伝えたいのはここです。月1回のペースだと、1年で増える記録は十数ラウンドしかありません。その少ない母数で出た「向き」は、次の数ラウンドでひっくり返ることがあります。結論を出す前に、1つずつ抜いて数え直す、記録を足してもう一度数える、という確かめ方をしておくと、読み違いを減らせます。
比べる窓を変えると、1つだけ符号が変わります
| 比べる窓 | n | Δパット | Δパーオン率 | Δスコア |
|---|---|---|---|---|
| 前6ヶ月 | 15 | −3.0 | −8.3pt | +4.0 |
| 前1年(本記事の既定) | 28 | −1.5 | −2.8pt | +3.0 |
| 前2年 | 60 | −2.0 | −2.8pt | +1.5 |
| 前 全期間 | 85 | −2.0 | −2.8pt | −1.0 |
パットとパーオン率はどの窓でも同じ向きですが、スコアだけは全期間と比べたときに符号が反転します。2020年から2022年の、まだ110台や120台を打っていた頃を含むからです。ですからこの記事は「交換前1年と比べて」と窓を決めて話しています。窓を書かずに「スコアは良くなっていない」と言うと、それは言い過ぎになります。
中央値だけの話ではないかも見ておきます
平均でも見ると、パットは36.36→34.80(−1.56)で、やはり減っています。パーオン率の平均は19.34→17.47(−1.87)です。スコアの平均は98.07→98.53で、差は+0.46しかありません。中央値では3打悪くなっていますが、平均ではほぼ動いていない。どちらで見ても、スコアが良くなったとは言えないというのが正確な言い方です。
なぜパットだけが減ったのか
ここから先は、私自身の説明です。数字はその説明を証明したものではありません。パット数という指標そのものの性質については、別の記事で18ラウンドぶんの内訳まで数えています。
私の説明は「アイアンの調子が落ちたから」です
アイアンの調子が悪くなり、2オンが減りました。その代わりにアプローチでピンの近くまで寄るので、結果として1パットのホールが増えた。私はそう考えています。
ただ、この説明を数字で裏付けることはできませんでした。いまの記録ではパーオン率の中央値が2.8ポイント下がっていて、向きとしてはこの説明と矛盾しません。けれど前の節で見たとおり、この差は1ラウンド抜くだけで0になることがあり、ラウンドを足す途中では「変わらない」になった時期もあります。数字が否定したわけではなく、数字では支えきれなかった、というのが今の位置づけです。
それでも、ひとつ言えることはあります。パット数は、パットの上手さだけで決まる数字ではありません。グリーンに乗るまでの打数や、どこから寄せたかにも引きずられます。パット数が減ったときに、それがパターのおかげなのか、手前のショットの事情なのかは、パット数の合計だけを見ても区別できないのです。
年別に並べてみると
| 年 | ラウンド | スコア | パット | パーオン率 |
|---|---|---|---|---|
| 2023 | 25 | 104.0 | 37.0 | 16.7% |
| 2024 | 29 | 101.0 | 36.0 | 22.2% |
| 2025 | 27 | 98.0 | 37.0 | 16.7% |
| 2026 | 12 | 101.0 | 34.5 | 11.1% |
中央値で並べると、2026年はパットが4年でいちばん少なく、パーオン率もいちばん低い年です。ただし2026年の12ラウンドはすべて交換後のラウンドで、前後比較の15ラウンドとほとんど重なっています。年別に並べ直しても、新しい証拠が増えるわけではありません。
もうひとつ、表を読むときの注意があります。パーオン率は2023年と2025年が16.7%で、2024年だけが22.2%と高い年でした。比べる相手に2024年を選ぶと、2026年との差は大きく見えます。都合のよい年を選べば差はいくらでも作れるので、私はこの表を「2024年と比べてこれだけ下がった」という根拠には使いません。

それでも短い距離の精度は上がった(と私は思っています)
ここまで数字で慎重なことばかり書きましたが、私自身の感覚としては、短い距離のパットは確かに入るようになりました。これは数字で裏を取れていない話として読んでください。
替えてから1ヶ月ほどで、手応えが変わりました
当時は2ヶ月くらい、2日に1度は練習していました。狙いを1.5mあたりの距離に絞って、そこだけを繰り返した時期です。昔は入れられなかった距離が入るようになった実感はあります。ただし私の台帳には距離別のパット記録がないので、この実感を数字で確かめる手段がありません。※筆者個人の感想(N=1)です。
同じ時期に、パター以外に4つ動いています
正直に並べます。①パターを替えた ②ボールを TaylorMade Tour Response の帯付きに替えた ③打ち方をアッパー気味からダウンブローに変えた ④練習量が増えた ⑤パッティングミラーを使い始めた。この5つが同じ時期に動いているので、パットが減った理由をパターだけに割り当てることはできません。
ミラーで私が直したのは、目の位置を左目の真下に置くこと、ボールを体の中心より左に置くこと、肩の向きを進行方向と平行にすること、腕や腹ではなく肩を動かすこと、両肘を少し曲げること、ハンドファーストに当てることの6点です。あくまで私の場合の話で、パッティングのアドレスに万人向けの正解があるわけではありません。
もうひとつ書いておきたいのは、器具の卒業のしかたです。最初はミラーの線に沿ってテイクバックする意識で使っていましたが、後半はその使い方をしなくなりました。構えが身についたら外してよい道具だと思っています。道具を買い替える前に、まず構えを固定するほうが順番としては先かもしれません。
まとめ:パター買い替えの効果は「パット数」だけでは測れません
2026年10月4日までの私の記録では、パター交換の前後でパット数の中央値は1.5打減りました。けれど交換前1年と比べて、スコアは良くなっていません。パット数が減ったことは事実でも、それをそのまま「上手くなった」と読み替えると、自分の状態を読み違えます。そして、15ラウンドほどの記録で出た向きは、ラウンドを足すと動くことがあります。私の記録では、パーオン率の向きが実際に動きました。
道具を替えた効果を自分で測るなら、パット数の合計よりグリーンに乗ったホールでのパット数や3パット以上をした回数を数えるほうが、道具の影響を切り分けやすくなります。数える対象の選び方は別記事にまとめました。
そのうえでパター選びそのものは、設計上の指標である3軸スコア(寛容性・コスパ・操作性)で候補を絞り、最後は自分の手で試打やフィッティングをして確かめてください。打感や相性は人それぞれで、数字だけでは決まりません。候補の絞り込みには診断ツールを用意しています。
ベストスコア86、アベレージ100のアマチュアゴルファー。
身長177cm、体重78kg前後の中肉中背40代ゴルファーです。
2020年にゴルフ開始。
2022年から本格的に練習をするようになったがなかなか上達せずに120前後から変わらず。
試行錯誤しながら、少しずつ上達中。
関東のゴルフ場がメインの月1~2ゴルファーです。


