ラウンドが終わるたびに「パットが多かった」と反省していました。でも、では次の1ヶ月で何を練習するのかと問われると、答えが出ません。パット練習器具を買っても、スコアは100の壁の手前で止まったままでした。そこで自分のラウンド記録を88ラウンドぶん数え直したところ、スコアをいちばん強く説明していたのはパット数ではなく、まったく別の1列でした。18ホールのうち、何ホールをボギーオンできたかです。
この記事でわかること
- ボギーオン率は、私の台帳の中でスコアをいちばん強く説明した数字だった(相関 -0.808)
- パット数の説明力(+0.547)より強い。パーオン率(-0.516)よりも強い
- 分かれ目は18ホール中10ホール。10以上なら100切り72.7%、9以下なら6.8%
- 100を切れた日と切れなかった日で、パットの差は2打。ボギーオンの差は4ホール
- ボギーオンを1ホール増やすと、私の場合は約2.4打だった

ボギーオンとは何か(そして、なぜパーオンより現実的なのか)
言葉の整理から始めます。ボギーオンとは、そのホールの規定打数より1打多い打数でグリーンに乗せることです。パー4なら3打目で、パー5なら4打目で、パー3なら2打目でグリーンに届いた状態を指します。
ボギーオン+2パット=ボギー。18ホール続けば90
ボギーオンしたホールを2パットで上がれば、そのホールはボギーです。これが18ホール続けば90。つまりボギーオンは、達成できたホールの数がそのままスコアの土台になる指標だと考えてください。
もちろん全ホールで乗るわけがありません。だからこそ「何ホールできたか」を数える意味があります。パーオンかどうかは0か1かの話になりがちですが、ボギーオンは18分のいくつという連続した目盛りとして自分の状態を映してくれます。
パーオン率は、月1ゴルファーにとって遠すぎる目盛りだった
私の88ラウンドの実測では、パーオンできたのは中央値で18ホール中3ホール(16.7%)でした。プロの中継で見る数字とは別の世界です。ここを目標に据えても、良い日と悪い日の差が2ホールと4ホールの違いにしかならず、練習の方向を決める材料になりません。
一方でボギーオンは、同じ台帳で中央値9.5ホール。ちょうど半分あたりに自分がいるので、上にも下にも動く余地があります。動く目盛りでなければ、何かを変えた効果は見えません。これがパーオンではなくボギーオンを選んだ理由です。
88ラウンドを数え直したら、ボギーオン率が一番強く効いていた
ここからが実測です。使ったのは、私が2021年から1行ずつ書き溜めてきたラウンド記録です。日付・コース名・スコア・パット・OB・FWキープ率・パーオン率・ボギーオン率の8列しかない、素朴な表です。
母数と、除外したもの(ここを隠すと記事が嘘になります)
台帳は121ラウンドぶんあります。そこから2段階で絞りました。
- パット欄が記録されていない3ラウンドを除外(0パットのラウンドは存在しないので、記録し忘れです)→ 118ラウンド
- ショートコースの30ラウンドを除外 → 88ラウンド・40コース・2021年8月12日〜2026年3月15日
除外の判定は目分量ではなく機械的に行いました。「そのコースでのスコア中央値が85打を下回るコース」をショートコース扱いにしています。該当したのは4コース、シーサイドゴルフ木更津の18ラウンド(スコア中央値74)、熊谷ショートコース(閉鎖)の9ラウンド(同82)、江戸川ラインゴルフ松戸コースの2ラウンド(同62)、花咲カントリー倶楽部の1ラウンド(同70)です。18ホールのコースでスコア中央値が85を下回ったところは1つもありませんでした。
正直に書いておきます。私のシーサイドゴルフ木更津での74は、18ホールの74ではありません。ここを混ぜたまま集計すると、数字がはっきり水増しされます。
混ぜると1.4倍に水増しされた
実際に両方を出しました。ショートコースを混ぜたまま計算すると「1ホール多く乗せると3.41打縮む」と出ます。18ホールのコースだけで計算すると2.39打です。約1.4倍の差が、混ぜるか分けるかだけで生まれていました。ショートコースはパー3中心で、低スコアと高いボギーオン率が同時に出るからです。この記事の数字は、すべて18ホールのコースだけ(88ラウンド)の値です。
3つの指標を並べたら、順番がはっきり出た
その88ラウンドで、スコアとの相関を3つ取りました。相関は-1から+1の間の数字で、0から離れているほど連動が強いことを意味します。
| 指標 | スコアとの相関(88ラウンド) |
|---|---|
| ボギーオン率 | -0.808 |
| パーオン率 | -0.516 |
| パット数 | +0.547 |
ボギーオン率が0.808で頭ひとつ抜けています。マイナスなのは「ボギーオン率が高い日ほどスコアが小さい=良い」という意味です。私がずっと反省の対象にしてきたパット数は0.547で、しかも符号がプラス、つまりパットが多い日ほどスコアが良いという向きに出ていました。
この逆転そのものについては、同じ台帳をパット数の側から掘った記事を別に用意しています。乗せた日ほどパットの機会が増えるので、パット数はショットのご褒美を引き算してしまうのです。
100を切れた日と切れなかった日を、並べてみる
相関の数字だけでは実感が湧かないので、88ラウンドを結果で2つに割って中央値を取りました。
| ラウンド数 | ボギーオン | パット | パーオン | スコア | |
|---|---|---|---|---|---|
| 100を切れた日 | 35 | 12ホール(66.7%) | 35 | 4ホール(22.2%) | 95 |
| 100以上だった日 | 53 | 8ホール(44.4%) | 37 | 2ホール(11.1%) | 106 |
この表がこの記事でいちばん見てほしいところです。スコアは11打も違うのに、パットの差は2打しかありません。その一方で、ボギーオンできたホール数は4ホール違います。
つまり、私の場合差がついていたのはグリーンに乗せるまでであって、乗ってからではなかったということです。良い日は12ホール乗せていて、悪い日は8ホールしか乗せられていない。パターの上手下手で説明できる幅は、この表の中ではとても狭いものでした。

分かれ目は「18ホール中10ホール」だった
では、何ホール乗せれば100が切れるのか。しきい値を1ホールずつずらして、100切り率を計算しました。
10ホールで、母集団がちょうど半分に割れる
| ボギーオンできたホール数 | ラウンド数 | 100切り率 | スコア中央値 |
|---|---|---|---|
| 10ホール以上 | 44 | 72.7% | 96.5 |
| 9ホール以下 | 44 | 6.8% | 107.5 |
| 12ホール以上 | 20 | 90.0% | 94.0 |
| 8ホール以下 | 25 | 4.0% | 110 |
10ホールで切ると、44ラウンド対44ラウンドにきれいに割れます。私の中央値が9.5ホールなので、ここが自然な真ん中です。都合の良いところを探して線を引いたわけではない、ということだけ書き添えておきます。
そして結果は72.7%対6.8%。同じ人間が同じクラブで回っていて、10ホール乗せられた日は3回に2回以上100を切り、9ホール以下だった日は15回に1回しか切れていません。スコア中央値でも11打の開きがあります。
1ホール増やすと、私の場合は約2.4打だった
回帰を取ると、ボギーオン率が1ポイント上がるごとにスコアは0.431打下がっていました。18ホール中の1ホールは5.6ポイントぶんなので、1ホール多く乗せると約2.4打という計算になります。
これは目標として現実的な単位です。いきなり「90を目指す」ではなく、10ホールを12ホールにする。それでおおよそ5打です。100の手前で止まっている人にとって、次のラウンドの目標として持ち歩けるサイズだと思います。
13ホール以上は、私のデータでは何も言えません
表を上に伸ばしたくなりますが、ここで止めます。13ホール以上のラウンドは8回しかなく、100切り率は87.5%と、12ホール以上(90.0%)より下がっています。母数が小さすぎて、上下どちらに動いても意味を読み取れません。
もうひとつ、この記事全体にかかる限界も書いておきます。ここにあるのは相関であって、因果ではありません。「ボギーオンを増やせばスコアが下がる」と言い切れる材料は、この台帳にはありません。言えるのは私の88ラウンドでは、ボギーオンが多い日ほどスコアが良かったということだけです。それでも、練習の的をどこに置くかを決めるには十分な材料でした。
そもそも自分のスコアカードから何を拾えばいいのか、という土台の話はこちらにまとめてあります。
では、どうやってボギーオンを1ホール増やすか
数え方が決まったので、増やし方の話に移ります。ここから先は私が実際にやっていることで、統計ではありません。
3打目の距離を揃える練習は、ショートコースが密度で勝つ
ボギーオンできなかったホールを思い返すと、多くはティーショットではなく3打目でグリーンを外しているパターンでした。50〜100ヤードが残って、乗せきれずにグリーン手前や奥にこぼす。ここは練習場のマットからでは再現しにくい距離です。
ショートコースなら、1ラウンドで9回この場面が来ます。18ホールを回って3打目が10数回しかないのと比べると、同じ時間で触れる回数がまるで違う。しかも料金は本コースよりずっと抑えられます。私が木更津のショートコースに通っていたのは、この密度が理由でした。
ショートコースの目標スコアをどこに置くかは、別記事で数字の根拠から整理しています。
「乗せる」練習は、飛距離ではなく残り距離の管理
もうひとつ効いたのは、ティーショットで飛ばすことではなく、2打目をどこに置くかでした。パー4で残り120ヤードから狙うのと、残り60ヤードから狙うのとでは、乗る確率が違います。刻んででも得意な距離を残したほうが、結果的にボギーオンの数は増えました。
その「得意な距離」を持つには、自分の番手が実際に何ヤード飛ぶのかを知っている必要があります。平らなマットの上で打った球では、そこは分かりません。私は弾道計測機のある屋内施設で番手ごとの実測を取るようにしていて、これが残り距離の設計にいちばん直結しました。
道具で埋まるのは「方向」まで。ボギーオンは買えません
当サイトはパターのデータベースを持っていて、寛容性・コスパ・操作性の3軸でスコア化しています。その立場から書いておきます。道具の寛容性が助けてくれるのは、打点や向きがぶれたときの被害の大きさまでです。今日の記事の数字が示していたのは、差がついている場所はグリーンに乗せるまでだということでした。
ここを混同すると、パターを買い替えても手応えが出ないまま次の1本を探し続けることになります。私がそうでした。道具に何を期待するかを先に決めておく。それだけで、探す時間はずいぶん短くなります。
100切りまでの全体の順番を先に把握したい方は、こちらのロードマップから読んでみてください。
⚠️ この記事の数字は、筆者1人の88ラウンドの記録から出したものです。すべてのゴルファーに同じ傾向が出ると主張するものではありません。また、ボギーオンできたホール数はコースの難易度・ティーの選択・その日の天候にも左右されます。この記事の値打ちは正解を配ることではなく、自分の記録を同じ手順で数え直すと何が見えるかをお見せすることにあります。まずはご自身のスコアカードで1ラウンドぶん数えてみてください。
まとめ:次のラウンドで数えるのは、パットではなくボギーオンの数
88ラウンドを数え直して分かったことを、3つに整理します。
①ボギーオン率は、私の台帳でスコアをいちばん強く説明した数字でした(相関 -0.808)。長らく反省の対象にしていたパット数(+0.547)よりも、パーオン率(-0.516)よりも強い。
②分かれ目は18ホール中10ホールでした。10ホール以上なら100切り72.7%、9ホール以下なら6.8%。44ラウンド対44ラウンドできれいに割れて、結果は10倍以上違いました。
③100を切れた日と切れなかった日で、パットの差は2打・ボギーオンの差は4ホールでした。差がついていたのはグリーンに乗せるまでです。
ですから、次のラウンドでやることはひとつだけ提案します。スコアカードの端に、ボギーオンできたホールの数を書いてください。パー4なら3打目、パー5なら4打目、パー3なら2打目でグリーンに届いたホールを数えるだけです。それが10を超えているかどうかで、その日の内容はほぼ説明できます。
そして数を増やす練習は、パッティングマットの上ではなく、3打目の距離が何度も来る場所にあります。私の場合はショートコースでした。18ホールを1回回るより、9ホールを2回のほうが、乗せる場面の数は増えます。
まずは近くのショートコースを1つ、次の休みの予定に入れてみてください。
ベストスコア86、アベレージ100のアマチュアゴルファー。
身長177cm、体重78kg前後の中肉中背40代ゴルファーです。
2020年にゴルフ開始。
2022年から本格的に練習をするようになったがなかなか上達せずに120前後から変わらず。
試行錯誤しながら、少しずつ上達中。
関東のゴルフ場がメインの月1~2ゴルファーです。



