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PING スコッツデール パター全10本の選び方|定価も素材も同じ2025年の10本を、ストロークタイプで選び分ける

パター売り場のPINGの棚で、「SCOTTSDALE」と書かれたパターが2種類並んでいて、どちらが新しいのか分からずに手が止まったことはないでしょうか。しかも片方の10本は、ブレードもマレットも新品定価が同じ44,000円。高いほうが良いはず、という手がかりが使えないのです。結局いつものアンサーを握って、そのまま棚に戻す。この記事では、2025年のスコッツデール全10本を当サイトのパターDBで洗い出し、値段ではなくストロークの型と形で選び分ける方法を整理します。

この記事でわかること

  • スコッツデール(2025年)の10本は、定価も素材も同じ=選ぶ軸はストロークの型と形だということ
  • PING公式のストロークタイプ(STRAIGHT/SEMI ARC/ARC)と、当サイトの3軸スコアの対応
  • 全10本の早見表と、2026年の「スコッツデール TEC」が別のシリーズである理由
  • 10本中7本にいる「同じ名前で、早見表の列が全部同じ」旧モデルの見つけ方
  • タイプ別の代表5本と、最後に1本へ絞るための3つの問い
PINGスコッツデール(2025年)の10本を、公式のストロークタイプ(STRAIGHT・SEMI ARC・ARC)の列と、形(ブレード・ミッド・ツノ型・マレット)の行でできた格子に置いた地図の図解
値段が同じ10本は、自分のストロークの列から形で選べます

PING スコッツデール(2025年)は、10本すべてが同じ素材・同じ定価の年ライン

当サイトのパターDBで brand=PING・series=Scottsdale・発売年2025年 を抽出すると、10本が並びます。PINGの公式サイトによると発売日は2025年3月6日。ブレードからマレット、さらに38インチのカウンターバランスまで、形の違う10本が1つの名前の下にまとめられています。

このラインのいちばん分かりやすい特徴は、10本すべてが新品定価44,000円で、ヘッド素材も10本すべて同じだということです。公式のスペック表を見ると、ヘッド素材の欄はどのモデルも「17-4SS、PEBAXインサート」。標準のロフト角3度・ライ角70度も10本で共通です。形が違うだけで、作りと値段はそろえてある。値段の高さで性能を推測する、という選び方がそもそも成立しない年だと言えます。

そのPEBAXインサートについて、公式は日本のゴルファーの要望に応えて開発したソフトな打感だと説明しています。あわせて、軽いインサートをフェースに使うことで重心が深くなり、芯を外しても初速が落ちにくい、とも書かれています。ただし打感の良し悪しは当サイトのDBに列がありません。数値で持っていないものを数値のように語るのは筋が悪いので、打感はこの記事の判断材料に入れていません。代わりに、DBが決定的なルールで持っている寛容性と操作性の2軸と、公式が表示しているストロークタイプで10本を整理していきます。スコアがどう決まっているかは、評価基準を公開した記事にまとめてあります。

10本の内訳——公式の4分類と、当サイトの3分類

PINGの公式サイトは、10本を4つのタブに分けて紹介しています。当サイトのDBはヘッド形状を3種類で持っているので、対応させるとこうなります。

  • ブレード(公式)=Anser・Anser 4・Anser 2Dの3本 → 当サイトでもブレード
  • ミッド(公式)=B63・DS72の2本 → 当サイトではハーフマレット
  • ツノ型(公式)=Prime Tyne 4・Prime Tyne Cの2本 → 当サイトではマレット
  • マレット(公式)=Oslo 3・Craz-E・Craz-E CBの3本 → 当サイトでもマレット

つまり当サイトの3分類で数えると、ブレード3本・ハーフマレット2本・マレット5本です。ほかの列も機械で集計しておきます。

  • トーハング(シャフトを水平に支えたとき、フェースがどれだけ下を向くか):フェースバランス4本・クォーター4本・ハーフ2本。フルトーハングはありません。
  • ネック形状:ショートスラント4本・クランクホーゼル3本・ダブルベンド2本・センターシャフト1本の4種類。同じPINGでも、2023年ラインが11本中8本をクランクホーゼルに寄せていたのに比べると、ばらけています。
  • 長さ:34インチが9本。Craz-E CBの1本だけが38インチです。
  • 初心者向き判定:10本中6本がTRUE。FALSEはブレードの3本とPrime Tyne 4の4本です。

PING スコッツデール 全10本 早見表

公式サイトの並び(ブレード→ミッド→ツノ型→マレット)のまま10本を並べました。形状・ネック・スコアはDBの値をそのまま転記し、ストロークタイプとヘッド重量は公式のスペックから写しています。価格はDB登録時点の目安で、中古の実売は状態ランクや在庫によって前後します。

モデル 形状 ストロークタイプ(公式) ネック 寛容性 操作性 ヘッド重量(公式) 中古相場 新品定価
Anser ブレード SEMI ARC クランクホーゼル ★☆☆☆☆ ★★★★☆ 345g ¥28,880※ ¥44,000
Anser 4 ブレード ARC ショートスラント ★☆☆☆☆ ★★★★★ 345g ¥28,880※ ¥44,000
Anser 2D ブレード SEMI ARC クランクホーゼル ★☆☆☆☆ ★★★★☆ 360g ¥28,880※ ¥44,000
B63 ハーフマレット SEMI ARC ショートスラント ★★★☆☆ ★★★☆☆ 350g ¥28,880※ ¥44,000
DS72 ハーフマレット STRAIGHT クランクホーゼル ★★★★☆ ★★☆☆☆ 360g ¥28,880※ ¥44,000
Prime Tyne 4 マレット ARC ショートスラント ★★★☆☆ ★★★☆☆ 365g ¥28,880※ ¥44,000
Prime Tyne C マレット STRAIGHT センターシャフト ★★★★★ ★☆☆☆☆ 360g ¥29,840※ ¥44,000
Oslo 3 マレット SEMI ARC ショートスラント ★★★★☆ ★★☆☆☆ 365g ¥29,380※ ¥44,000
Craz-E マレット STRAIGHT ダブルベンド ★★★★★ ★☆☆☆☆ 370g ¥28,880※ ¥44,000
Craz-E CB(38インチ) マレット STRAIGHT ダブルベンド ★★★★★ ★☆☆☆☆ 370g ¥31,880※ ¥44,000

(「※」は美品=AB以上の出物がほとんど無く、状態B〜Dの中古完品による中央値)

表を上から見ていくと、新品定価の列が1種類しかないことがまず目に入ります。そのぶん、ほかの列に目が行きます。ストロークタイプは3種類、ネックは4種類、寛容性は★1から★5まで。値段以外の列は、どれもきちんとばらけています。この年は「予算で候補を絞る」ことができないかわりに、「自分のストロークに合う型」を選べばそのまま答えが出る年です。中古で探す場合も、同じモデルでも状態ランクが1段違えば実売はかなり動くので、価格の前に状態を見るのが順番です。

「スコッツデール」と「スコッツデール TEC」は別のシリーズ

冒頭の「棚に2種類並んでいる」問題に答えておきます。2026年に出たスコッツデール TECは、同じ「Scottsdale」の名前を持っていますが、当サイトのDBでは別のシリーズとして扱っています。理由は、中身が重ならないからです。

  • モデル名が1本も重ならない。TECの7本はHayden・Ally Blue H・Ally Blue H CB・Ally Blue Onset・Ally Blue Onset CB・Ketsch 4・Ketsch Onset。2025年版のAnserやDS72と同じ名前は0本です。
  • 2025年版に無いネックがある。TECの7本のうち3本はオンセットネックで、2025年版の10本には1本もありません。
  • 新品定価が違う。TECは7本すべて新品定価71,500円で、2025年版の44,000円とは別の価格帯です。

一方で、PEBAXのインサートを使う点はTECも同じです。当サイトのシリーズ情報では、TECは2026年4月発売で、アルミとステンレスとPEBAXを組み合わせた3素材の構造になっています。名前とインサートは引き継ぎ、モデルの顔ぶれとネックと価格を入れ替えたライン、と整理しておくと棚の前で迷いません。2025年版の型番(Anser 2DやOslo 3など)を探しているなら、TECの棚には無いということだけ覚えておいてください。

参考までに、PINGの年ごとのラインを当サイトのDBに登録している範囲で並べると、次のようになります(削り出しのPLD Milledは除く)。

発売年 ライン 当DBの登録本数 新品定価
2019 SIGMA2 12本 ¥30,800〜¥37,400
2020 HEPPLER 11本 ¥36,300〜¥44,000
2021 2021 11本 ¥38,500(全モデル同額)
2023 PING 2023 11本 ¥46,200(全モデル同額)
2024 PING 2024 6本 ¥39,600〜¥49,500
2025 Scottsdale 10本 ¥44,000(全モデル同額)
2026 Scottsdale TEC 7本 ¥71,500(全モデル同額)

2022年の行が無いのは、当サイトのDBにその年のラインを登録していないというだけです(PINGがその年にラインを出さなかったという意味ではありません)。2021年・2023年・2025年は、どれも全モデルが同じ新品定価のラインです。スコッツデールだけの特殊な事情ではなく、PINGの年ラインによく見られる値付けだと考えてよさそうです。2026年の最新モデルをまとめて見たい場合は、TECの7本を含めた一覧記事があります。

スコッツデール パターの選び方は「値段」ではなく「ストロークタイプ」

値段で選べないなら、何で選ぶのか。PINGはこの点で親切なメーカーで、公式サイトが各モデルのストロークタイプを表示しています。まっすぐ引いてまっすぐ出すタイプ向けがSTRAIGHT、軽く弧を描くタイプ向けがSEMI ARC、はっきり弧を描くタイプ向けがARCです。

当サイトのDBは、このストロークタイプをトーハングの列に写して持っています。STRAIGHT=フェースバランス、SEMI ARC=クォーター、ARC=ハーフ、という対応です。この写し方は、DBの中にある同じ名前のPINGモデルで検算してあり、ずれはありませんでした。つまり、公式のストロークタイプと当サイトのスコアは、同じ物差しの上に乗っています

公式のストロークタイプと、トーハングの対応

10本をストロークタイプで3つに分けると、次のようになります。

  • STRAIGHT(フェースバランス)の4本:DS72・Prime Tyne C・Craz-E・Craz-E CB
  • SEMI ARC(クォーター)の4本:Anser・Anser 2D・B63・Oslo 3
  • ARC(ハーフ)の2本:Anser 4・Prime Tyne 4

当サイトの寛容性と操作性は、ヘッド形状 × トーハングから決定的に計算されます。フェースが下を向くほど(トーハングが大きいほど)、ストロークの中でフェースが開いて閉じる動きが大きくなるので、寛容性は下がり、操作性は上がります。ヘッドが大きいほど慣性モーメントが大きくなるので、寛容性は上がります。

このルールを10本に当てはめると、面白いことが分かります。SEMI ARCの4本は、ブレード・ミッド・マレットの3つの形に分かれていて、寛容性が★1(Anser・Anser 2D)→★3(B63)→★4(Oslo 3)と3段そろっているのです。同じストロークタイプのまま、ヘッドの大きさだけで「助けてもらう量」を選べる。軽く弧を描く人にとって、このラインはかなり選択肢の多い年だと言えます。

STRAIGHTの4本は、ハーフマレットのDS72が★4、マレットの3本が★5。ARCの2本は、ブレードのAnser 4が★1、マレットのPrime Tyne 4が★3です。どのストロークタイプでも、形を大きくするほど寛容性が上がり、操作性が下がるという同じ規則で並んでいます。

同じストロークタイプでも、ネックは違う

パター選びでよく使われる目安に、「ダブルベンドやセンターシャフトはストレート向き、ショートスラントやクランクホーゼルはアーク向き」というものがあります。当サイトもこの目安を使いますが、あくまで目安です。スコッツデールの10本で確かめてみます。

  • STRAIGHTの4本:Prime Tyne Cがセンターシャフト、Craz-EとCraz-E CBがダブルベンド。ここまでは目安どおりです。ところがDS72はクランクホーゼルなのにSTRAIGHTです。
  • SEMI ARCの4本:AnserとAnser 2Dがクランクホーゼル、B63とOslo 3がショートスラント。目安どおりです。
  • ARCの2本:Anser 4とPrime Tyne 4は、どちらもショートスラント。目安どおりです。

10本のうち、目安から外れるのはDS72の1本だけでした。1本だけとはいえ、ネックの見た目だけで「これはアーク向き」と決めると、DS72を読み違えます。PINGの場合は公式がストロークタイプを表示しているので、ネックよりもそちらを先に見るのが確実です。

ネックの違いが実際にどう効くかは、公式の説明にも表れています。Anser 4について公式は、アンサーよりブレード長が長く大きめの形で、ショートスラントネックによってフェースの開閉を感じやすく、ひっかけに悩むゴルファーに勧めると書いています。当サイトのスコアでも、Anser 4はブレード × ハーフで操作性★5。10本のなかで操作性が最大の1本です。ネック形状とトーハングの関係をもっと詳しく知りたい場合は、専用の記事があります。

B60とB63——名前が1字違いの2本は、当DBの列ではネックだけが違う

2025年版で初めてDBに入った名前の1つがB63です。名前が1字違いのPING 2024のB60と比べると、当サイトの早見表の列では、形状(ハーフマレット)・トーハング(クォーター)・寛容性★3・操作性★3・長さ34インチまで同じで、ネックだけが違います。B60がクランクホーゼル、B63がショートスラントです。

公式のB63の説明は、この差とよく合っています。公式は、従来のB60よりもトップレールが厚く、形状もやや大きめのヘッドで、「アンサー3スタイルのスラントネック」を採用しオフセットが少なめだと説明しています。当サイトのDBは、トップレールの厚みやオフセット量、ヘッドの見た目の大きさを列に持っていないので、スコアはB60と同じになります。スコアが同じなら、あとは構えたときの見え方で選ぶ段階です。B60の顔が好きだった人がB63を見るときは、ネックの形とトップレールの厚みの2点を確かめてください。

ミスへの強さで10本を並べる(寛容性★1〜5)

寛容性スコアの順に10本を並べると、次のようになります。

  1. ★5:Prime Tyne C・Craz-E・Craz-E CB(マレット × フェースバランス)
  2. ★4:DS72(ハーフマレット × フェースバランス)・Oslo 3(マレット × クォーター)
  3. ★3:B63(ハーフマレット × クォーター)・Prime Tyne 4(マレット × ハーフ)
  4. ★2:該当なし
  5. ★1:Anser・Anser 2D(ブレード × クォーター)・Anser 4(ブレード × ハーフ)

操作性は、この順番のほぼ裏返しです。★5のマレット3本が操作性★1、★4の2本が操作性★2、★3の2本が操作性★3、そしてブレードの3本が操作性★4〜★5。寛容性と操作性は両立しません。両方★5のパターは物理的に存在しないので、数値の高いほうを選ぶのではなく、自分がどちらを必要としているかで選ぶことになります。

ブレード3本は、どれも★1(操作性の側)

ブレードの3本は、寛容性がそろって★1です。当サイトのルールでは、ブレードで寛容性が★2になるのはフェースバランスのときだけで、スコッツデールのブレードはクォーターかハーフなので★1に落ち着きます。ヘッドが小さく、フェースが開いて閉じる動きがある。芯を外したときの助けは少ないかわりに、フェースの向きを自分で合わせにいける側のパターです。

3本の中の違いは、トーハングの1点です。Anser 4だけがハーフ(ARC)で操作性★5、AnserとAnser 2Dはクォーター(SEMI ARC)で操作性★4。そしてAnserとAnser 2Dは、当サイトのDBの列がすべて同じです。形状・トーハング・ネック・スコア・長さのどれを見ても差がありません。公式はAnser 2Dを「ワイドなANSER形状」と紹介していて、ヘッド重量もAnserの345gに対して360gと重めですが、どちらも当サイトのスコアには入っていない要素です。この2本のどちらにするかは、構えたときの見え方と重さの好みで決める領域で、DBからは優劣をつけません。

ここで1つ気づいておきたいのは、寛容性★2のモデルがいないことです。ブレードの★1から、ミッドのB63の★3へ一気に跳びます。「ブレードは不安だけれど、少しだけ助けてほしい」という人は、この年ではB63かPrime Tyne 4の★3が最も近い選択肢になります。

★5はセンターシャフトとダブルベンドのマレット

反対の端にいるのが、寛容性★5の3本です。マレット × フェースバランスという、当サイトのスコアで寛容性が最大になる組み合わせで、ヘッドの慣性モーメントが最大、フェースの開閉が最小。打点が芯を外しても、フェースの向きが残りやすい設計です。

  • Prime Tyne C:公式の分類ではツノ型。センターシャフトで、公式はフェースの真ん中で打ちやすくなる構造だと説明しています。
  • Craz-E:公式の分類ではマレット。ダブルベンドで、公式は重量を周辺に配分した高MOIの形状だと説明しています。
  • Craz-E CB:Craz-Eと同じ形・同じネックで、長さが38インチ。370gのヘッドに17インチの長いグリップを組み合わせたカウンターバランスで、公式は中尺パターを使いたいゴルファーにも勧めています。長さのカスタムは、ほかの9本が31〜36インチなのに対して、CBだけ36〜45インチです。

この3本は、当サイトのスコアでは同じ★5/★1です。当DBの列で違うのはネック(センターシャフトかダブルベンドか)と長さだけなので、まず長さ(34インチか、長めのカウンターバランスか)を決め、次にネックの見え方で選ぶという順番になります。もちろん、公式の分類(ツノ型かマレットか)やヘッド重量のように、列の外の違いはあります。パターの長さそのものの考え方は、別の記事で詳しく書いています。

ヘッドの重さでは★は決まらない

早見表のヘッド重量の列を見ると、「重いパターほどミスに強いのでは」と考えたくなります。けれども、当サイトの寛容性★にはヘッド重量は入っていません。寛容性は形状とトーハングだけで決まるルールです。

実際、同じ360gのヘッドが3本あり、それぞれ寛容性が違います。ブレードのAnser 2Dは★1、ハーフマレットのDS72は★4、マレットのPrime Tyne Cは★5です。重さが同じでも、ヘッドの形とフェースの向き方が違えば、ミスへの強さはまったく別物になります。いちばん軽い345gのAnser・Anser 4と、いちばん重い370gのCraz-E・Craz-E CBの間にも★の差はありますが、それも重さではなく、ブレードかマレットかという形の差から出ています。

重さが意味を持たないわけではありません。ヘッドの重さはストロークのテンポや振りやすさの好みに関わりますが、それは数値で優劣をつけられる要素ではなく、試打で手に持って確かめる要素です。この記事では、重さを★の代わりに使うことはしません。

10本中7本には、同じ名前・同じ列の「先輩」がいる

スコッツデールの10本を当サイトのDB全体と突き合わせると、もう1つの特徴が出てきます。10本中7本には、同じ名前で、早見表の列が全部同じ旧モデルがDBの中にいるということです。ここで比べた列は、形状・トーハング・ネック・寛容性・操作性・長さの6つです。

PINGスコッツデール(2025年)の10本を、同じ名前の旧モデルが当サイトのDBにいる7本と、2025年に初めて登場した3本(B63・Craz-E・Craz-E CB)に分けて示した図解
7本は、同じ名前の旧モデルも候補になります(素材やフェースの作りは違うことがあります)

列が全部同じ7本と、その先輩

2025年のモデル 当DBで列が全部同じ、同じ名前のモデル(シリーズ・発売年)
Anser 2021 Anser(2021年)/PLD Milled Anser(2022年)/PING 2023 Anser(2023年)
Anser 4 2021 Anser 4(2021年)
Anser 2D PING 2023 Anser 2D(2023年)/PLD Milled Anser 2D(2024年)
DS72 PING 2023 DS72(2023年)
Prime Tyne 4 SIGMA2 Tyne 4(2019年)/2021 Tyne 4(2021年)/PLD Milled Prime Tyne 4(2022年)/PING 2023 Prime Tyne 4(2023年)
Prime Tyne C 2021 Tyne C(2021年)
Oslo 3 PLD Milled Oslo 3(2024年)
B63・Craz-E・Craz-E CB 同じ名前のモデルなし(当DBは2019年以降を登録)

(Tyne 4とTyne Cは、年によって名前の頭に「Prime」が付くかどうかだけが違います)

これが何を意味するかというと、7本については「2025年版を新品で買う」以外に、「同じ名前の旧年式を中古で探す」という選択肢があるということです。スコアで選んだ結果がたとえばPrime Tyne 4なら、2019年のSIGMA2まで遡って同じ列のモデルが見つかります。どちらを選ぶかは、予算と状態と、次に書く「列の外の違い」をどう考えるかで決まります。

ただし、ここは強調しておきます。「DBの列が同じ」は「同じパター」ではありません。素材・インサート・仕上げ・ヘッド重量・打感は、早見表の列の外にあります。たとえば削り出しのPLD Milledは、当サイトのシリーズ情報では303ステンレスの削り出しに深い溝のフェース。スコッツデールは17-4ステンレスにPEBAXのインサート。早見表では同じ行になるのに、フェースの作りはまったく違うのです。当DBの列では区別できない、というところまでが言えることで、その先の差は実物で確かめるしかありません。

2023年版の11本の選び方は、姉妹記事で1本ずつ整理しています。Anser・Anser 2D・DS72・Prime Tyne 4の4本は、2023年版と2025年版で名前も列も重なるので、見比べるときの参考になります。

DS72は、同じ名前でも年で中身が変わってきた

同じ名前でも、列が全部同じとは限りません。いちばん分かりやすい例がDS72です。当サイトのDBには、2025年版のほかに同じ名前のDS72が3本いますが、列が全部同じなのは2023年版だけでした。

  • 2021年のDS 72:トーハングがクォーター。寛容性★3・操作性★3。2025年版とはストロークの型が違います。
  • 2022年のPLD Milled DS 72:フェースバランスで寛容性★4・操作性★2までは2025年版と同じですが、ネックがダブルベンドです。
  • 2023年のPING 2023 DS72:クランクホーゼルのフェースバランスで、2025年版と列が全部同じです。

つまり、DS72という名前だけを頼りに旧年式を探すと、年によっては別の型のパターをつかむことになります。とくに2021年のDS 72は、2025年版がSTRAIGHTなのに対して、クォーターのトーハングを持つ別の性格です。公式は2025年のDS72を、アンサーのフランジを後方に伸ばして安心感を出したフェースバランスのミッドマレットと説明しています。その性格の旧年式が欲しいなら、当DBで列が全部同じなのは2023年版だけ、と覚えておくと迷いません。

私のエースと同じ行になるAnser(※筆者個人の感想・N=1)

ひとつ、私個人の話を書いておきます。私がいま使っているパターは、PINGのPLD Milled Anser(2022年・ブラック)です。削り出しのフェースを持つモデルで、当サイトのDBでは上の表の「PLD Milled Anser(2022年)」の行にあたります。

この行を2025年のスコッツデールAnserと並べると、形状はブレード、トーハングはクォーター、ネックはクランクホーゼル、寛容性★1、操作性★4、長さ34インチ。早見表の列は1つ残らず同じです。違いは列の外、フェースの作りにあります。私のエースは削り出しで、スコッツデールはPEBAXのインサート。新品定価も、PLD Milled(66,000円)とスコッツデールでは違います。

ただし、スコッツデールのAnserは、私自身は所有も試打もしていません。ですから「インサートのほうが柔らかい」「転がりがどう違う」といった感想は書けませんし、書いていません。書けるのは、アンサー型を選ぶときに削り出しとインサートという2つの作りが、同じ形・同じスコアの中に並んでいるという事実までです。※ここに書いたのは私1人の例で、統計ではありません。判断の主役は早見表とスコアのほうに置いてください。アンサー型を歴代で見比べたい場合は、こちらの記事が詳しいです。

タイプ別の代表5本

ここからは、10本の中から代表を5本選んでカードで紹介します。選び方の方針は、ストロークタイプの3種類(STRAIGHT・SEMI ARC・ARC)と、形の3種類(ブレード・ハーフマレット・マレット)をどちらも跨ぐこと。同じアンサー系から2本入れることはせず、それぞれのカードに役割を1つずつ持たせています。

カードのスコア行にあるコスパ★は、当サイトが中古価格の水準から機械的に導く指標です。★1は「割高」という意味ではなく、比較的新しいモデルほどつきやすい値で、新品で買う人にとっては判断材料になりにくい指標です。この記事では、選び分けの軸を寛容性と操作性の2つに絞っています。

弧を描く人の3本(Anser・B63・Prime Tyne 4)

PING Scottsdale Anser

PING / Scottsdale(2025年)

Anser

ブレードややアーク向き(クォータートーハング)中古相場 ¥28,880(状態C中心)

寛容性 ★☆☆☆☆ / コスパ ★☆☆☆☆ / 操作性 ★★★★☆

公式のストロークタイプはSEMI ARC。ブレード × クォータートーハングの組み合わせなので、寛容性★1・操作性★4になります。ヘッドが小さく、ストロークの中でフェースがわずかに開いて閉じるため、芯を外したときの助けは少ないかわりに、フェースの向きを自分で合わせにいける側のパターです。ネックはクランクホーゼルで、アーク向きという目安とも一致します。ピン型の発祥とも言われるアンサー型そのもので、公式は「PING史上最も勝利したパター」と紹介しています。Anser 2Dとは当DBの列がすべて同じなので、2本のどちらにするかは構えたときの見え方で選ぶ領域です。DBの初心者向き判定はFALSEです。

PING Scottsdale B63

PING / Scottsdale(2025年)

B63

ハーフマレットややアーク向き(クォータートーハング)中古相場 ¥28,880(状態C中心)

寛容性 ★★★☆☆ / コスパ ★☆☆☆☆ / 操作性 ★★★☆☆

ハーフマレット × クォータートーハングで、寛容性★3・操作性★3。10本のなかでちょうど中央に立つ組み合わせです。SEMI ARCの4本のうち、ブレード(★1)とマレット(★4)の間を埋める唯一のミッドで、ブレードでは心細いがマレットは大きすぎる、という人の受け皿になります。ネックはショートスラントで、公式も「アンサー3スタイルのスラントネック」を採用しオフセットが少なめだと説明しています。名前の近いPING 2024のB60とは、当DBの列ではネックだけが違います。2025年に初めて当DBに入った名前で、同じ名前の旧年式はいません。DBの初心者向き判定はTRUE。

PING Scottsdale Prime Tyne 4

PING / Scottsdale(2025年)

Prime Tyne 4

マレットアーク向き(ハーフトーハング)中古相場 ¥28,880(状態C中心)

寛容性 ★★★☆☆ / コスパ ★☆☆☆☆ / 操作性 ★★★☆☆

マレット × ハーフトーハングで、寛容性★3・操作性★3。公式のストロークタイプはARCで、10本のうちARCのマレットはこの1本だけです。同じマレットでもフェースバランスのものより寛容性は2段下がり、そのぶんフェースの開閉を許します。はっきり弧を描くストロークで、ブレードの小ささは避けたい人が行き着く位置です。ネックはショートスラントで、公式もツノ型のヘッドの安定性に、フェースの開閉を感じやすいネックを組み合わせたと説明しています。同じ列の旧年式が2019年のSIGMA2から続いている、息の長い名前でもあります。DBの初心者向き判定はFALSEです。

まっすぐ引く人の2本(DS72・Craz-E)

PING Scottsdale DS72

PING / Scottsdale(2025年)

DS72

ハーフマレットまっすぐ向き(フェースバランス)中古相場 ¥28,880(状態C中心)

寛容性 ★★★★☆ / コスパ ★☆☆☆☆ / 操作性 ★★☆☆☆

ハーフマレット × フェースバランスで、寛容性★4・操作性★2。フェースの開閉が最小になるフェースバランスに、マレットほどではない大きさのヘッドを組み合わせた形です。公式のストロークタイプはSTRAIGHT。ネックはクランクホーゼルなので、ネックの目安(クランクホーゼル=アーク向き)だけで判断すると読み違える1本で、ストロークタイプは公式の表示で確かめるのが確実です。公式は、アンサーのフランジを後方に伸ばして安心感を出したミッドマレットと説明しています。2023年版とは当DBの列がすべて同じで、2021年版とは中身が違うので、旧年式を探すなら年まで確かめてください。DBの初心者向き判定はTRUE。

PING Scottsdale Craz-E

PING / Scottsdale(2025年)

Craz-E

マレットまっすぐ向き(フェースバランス)中古相場 ¥28,880(状態C中心)

寛容性 ★★★★★ / コスパ ★☆☆☆☆ / 操作性 ★☆☆☆☆

マレット × フェースバランスで、寛容性★5・操作性★1。当サイトのスコアで寛容性が最大になる組み合わせです。ヘッドが大きく慣性モーメントが最大で、フェースの開閉も最小なので、芯を外してもフェースの向きが残りやすい。公式も、重量を周辺に配分した高MOIの形状だと説明しています。ネックはダブルベンドで、ストレート向きという目安とも一致します。操作性★1はその裏返しで、フェースを返して打ち分けるタイプではありません。同じ★5/★1にはPrime Tyne C(センターシャフト)とCraz-E CB(38インチ)がいて、当DBの列の上での違いはネックと長さだけです。2025年に初めて当DBに入った名前で、同じ名前の旧年式はいません。DBの初心者向き判定はTRUE。

カードに載せていない1本——38インチのCraz-E CB

10本のうち、カードで紹介していないモデルがあと5本あります。Anser 4・Anser 2D・Prime Tyne C・Oslo 3は、スコアの位置がカードの5本のどれかと近いので、早見表で見比べてもらえれば足ります。残る1本、Craz-E CBだけは性格がはっきり違うので、ここで触れておきます。

Craz-E CBは、Craz-Eと同じ形・同じネックで、長さが38インチです。当サイトのスコアはCraz-Eと同じ寛容性★5・操作性★1で、DBの列で違うのは長さの1点。公式の説明では、370gの重めのヘッドに38インチの長さを設定し、17インチのグリップを装着してカウンターバランスにすることで、重い重量でもヘッドが走る設計だとされています。グリップも公式の紹介では別扱いで、SCOTTSDALEシリーズ限定のPING SPST TOUR 2.0に対して、SuperStrokeの17インチのグリップはCBだけに採用されています(ミッドサイズのPP58も選択肢にあります)。

つまりこの1本は、スコアで選ぶパターではなく、長さと構え方で選ぶパターです。34インチで手首が動いてしまう、長めのパターを試してみたい、という人のための選択肢で、ほかの9本と横並びで比べるものではありません。長さで悩んでいる場合は、先に紹介した長さの記事と合わせて読んでください。

まとめ:スコッツデールから1本を絞る3つの問い

PINGのスコッツデール(2025年)は、10本すべてが新品定価44,000円・同じ素材という、値段で選べないラインでした。そのかわり、公式がストロークタイプを表示し、形・ネック・スコアはきれいにばらけています。次の3つの問いを順番に通すのが、いちばん短い道になります。

  1. ストロークはまっすぐか、弧を描くか。まっすぐならSTRAIGHTの4本(DS72・Prime Tyne C・Craz-E・Craz-E CB)、軽く弧を描くならSEMI ARCの4本(Anser・Anser 2D・B63・Oslo 3)、はっきり弧を描くならARCの2本(Anser 4・Prime Tyne 4)へ。ネックの見た目より、公式の表示を先に見てください。
  2. ミスへの強さと操作性、どちらを取るか。両立しないので、どちらかに寄せます。同じストロークタイプの中では、形が大きいほど寛容性が上がります。SEMI ARCならブレードの★1からマレットの★4まで3段から選べます。
  3. 2025年版を新品で買うか、同じ列の旧年式を探すか。10本中7本には、同じ名前で列が全部同じ旧モデルがいます。ただし列が同じでも、素材やフェースの作りは違います。DS72のように、年によって中身が変わる名前もあります。

ストロークの型が自分でも分からない、という場合は、先にタイプを判定してから戻ってくるのが近道です。5つの質問に答えるだけで、ストロークタイプ別の候補が出る診断ツールを用意しています。

⚠️ 3軸スコアは、ヘッド形状やトーハングから決まる設計上の指標です。実際の打感・構えやすさ・転がりの相性は人によって異なります。候補をしぼり込んだら、最終的にはゴルフショップの試打やフィッティングで、自分の手とストロークで確かめてください。データは遠回りを減らす地図であって、最後の1本を決めるのはあなた自身です。

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