中古ショップのパターコーナーで、黒一色のオデッセイ「Stroke Lab Black」が並んでいる棚を見つけたとします。ヘッドの形はどちらも同じハーフマレット(ブレードとマレットの中間の大きさ)で、名前は「SEVEN」と「SEVEN S」。ところが近づいて見比べると、シャフトとヘッドをつなぐネックの形が違います。末尾に付いた「S」の1文字で何が変わるのか、値札を見る前に迷ってしまう場面です。この記事では、2020年のStroke Lab Blackにある SEVEN と SEVEN S の2本を、パターDBの列だけを根拠に読み解きます。
この記事でわかること
- 2020年のStroke Lab Blackにある SEVEN と SEVEN S の、パターDBに入っている主なスペック
- ダブルベンドとショートスラントの違いが、どんなストロークの目安になるのか
- 同じハーフマレットなのに、寛容性と操作性の★が入れ替わる理由
- 前年2019年のStroke Lab、同じ2020年のTriple Track、3年後の2023年のSEVENとの列の差
- 中古で買うときの確認点と、出品タイトルで取り違えないコツ
オデッセイ ストロークラボ ブラック セブン(2020)とはどんなパターか
オデッセイのパターには、「SEVEN」というヘッド名が付いたモデルがシリーズをまたいで何本もあります。名前だけで探すと、年もシリーズも違うものが一度に出てきてしまうのが、この名前の難しいところです。この記事で主に扱うのは、2020年のStroke Lab Blackに入っている SEVEN と SEVEN S の2本です。まずはシリーズの位置づけから確認します。
Stroke Lab Blackというシリーズの位置づけ
パターDBのシリーズ概要では、Stroke Lab Blackは「Stroke Labのオールブラック版」とされ、特徴は「Stroke Labのブラック仕上げ版」と書かれています。対象として挙げられているのは「シンプルな見た目とStroke Lab性能」を求める人です。インサートの列は「Microhinge Insert」、シャフトの列は「STROKE LAB BLACK」と登録されています。
ここで正直に書いておくと、パターDBのシリーズ概要には、Microhinge Insertがボールの転がりや打ち出しにどう働くかという説明は載っていません。インサートの名前を列として持っているだけなので、この記事ではインサートの効果についての評価は書きません。黒い仕上げになったことで性能がどう変わるのかも、同じ理由で書けません。パターDBの列から言えるのは、次の節で並べるヘッド形状・トウハング・ネックといったスペックまでです。
パターDBに入っているスペックを2本並べて見る
先に、パターDBの値をそのまま表にします。数値は転記で、再計算はしていません。
| 項目 | SEVEN | SEVEN S |
|---|---|---|
| シリーズ・年 | Stroke Lab Black・2020年 | Stroke Lab Black・2020年 |
| ヘッド形状 | ハーフマレット | ハーフマレット |
| トウハング | フェースバランス | ハーフ |
| ネック | ダブルベンド | ショートスラント |
| ロフト | 3.0度 | 3.0度 |
| 標準の長さ | 34インチ | 34インチ |
| 新品定価 | ¥22,000 | ¥22,000 |
| 寛容性 | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ |
| コスパ | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ |
| 操作性 | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ |
| 初心者向き判定(パターDB) | 向く | 向かない |
シリーズ、年、ヘッド形状、ロフト、長さ、新品定価まで同じで、違うのはトウハングとネックの2点です。そして★の並びと初心者向き判定は、この2点を境にはっきり分かれています。同じ「SEVEN」の名前を持つ2本でも、パターDBの上では性格がかなり違う、というのがこの2本の関係です。
もうひとつ、大事な前置きがあります。この2本のトウハングは、メーカーが公表している数値ではありません。パターDBが、ヘッドとネックの構造から推定した分類です。パターDBの注記にも、トウハングは構造からの推定だと記録されています。つまり「SEVEN はフェースバランス、SEVEN S はハーフ」というのは、当サイトのDBの分類であり、メーカーの公称ではありません。以降の説明は、すべてこのDBの分類を前提に読んでください。
同じシリーズ・同じ年の兄弟と、この記事の範囲
パターDBには、同じStroke Lab Blackの2020年として、この2本のほかにも多くのヘッドが登録されています。ONE、ROSSIE、ROSSIE FLOW、DOUBLE WIDE、DOUBLE WIDE ARMLOCK、DOUBLE WIDE FLOW、R-LINE ARROW、そしてTEN系(TEN Short Sightline、TEN Tour Lined、TEN S Short Sightline、TEN S Tour Lined)などです。
このうち、名前に「SEVEN」が付く別ヘッドとして、BIG SEVEN ARMLOCK と BIG SEVEN TOE UP もあります。ただしこの2本は、ここで扱う SEVEN とは別の製品です。ヘッド名が違う別の製品として扱うため、この記事の比較には含めません。出品タイトルに「SEVEN」とだけ書かれていても、手前に何か付いていないかを確かめておくと、取り違えを避けられます。
ヘッド名が違えば別のパターなので、この記事では SEVEN と SEVEN S の2本だけを扱います。オデッセイの「#7」という名前の広がりそのものを知りたい方は、まとめ記事のほうが整理されていますので、あとで案内します。

ネック違いで選ぶ|ダブルベンドのSEVENとショートスラントのSEVEN S
パターには、まっすぐ引いてまっすぐ出すストロークと、ゆるく弧を描くストロークがあるといわれます。その相性の目安になるのが、トウハング(シャフトを水平に支えたとき、ヘッドのつま先がどれだけ下がるか)と、ネックの付き方です。SEVEN と SEVEN S は、このどちらも違います。
ダブルベンド×フェースバランス=ストレート寄りの目安
フェースバランスは、シャフトを水平に支えたときにフェースが真上を向き、つま先が下がらない状態をさします。つま先が下がらないので、ストロークの中でフェースの向きが変わりにくい側の設計です。そこにダブルベンドのネックが付きます。ダブルベンドは、シャフトがヘッドに入る手前で2か所曲がっている形で、当サイトの目安ではストレート寄りのストロークに合うネックとして扱っています。
この組み合わせは、カードのタグではストレート向きと表示します。パターDBの初心者向き判定は「向く」で、理由欄には、フェースバランスの設計がまっすぐ引くストロークに自然に合うこと、大きなヘッドの慣性モーメントがミスを吸収すること、という趣旨が書かれています。
ショートスラント×ハーフ=アーク寄りの目安
ハーフは、フェースバランスとは逆に、つま先が斜めにはっきり下がる状態です。つま先が下がる分、ストロークの中でフェースが開いて閉じる動きが出やすくなります。そこに付くショートスラントは、シャフトが斜めにヘッドへ入る短いネックで、当サイトの目安ではアーク寄りのストロークに合うネックとして扱っています。
この組み合わせは、カードのタグではアーク向きと表示します。パターDBの初心者向き判定は「向かない」で、理由欄には、トウハングが大きめで弧を描くストローク向きの設計であること、フェースの開閉を意識して合わせる操作が必要になること、という趣旨が書かれています。「向かない」と聞くと身構えますが、これは、ストロークの型を自分で分かっていて、フェースを使う感覚を楽しみたい人向けの設計だ、という意味に読むのがよいと思います。
2本を表で並べる|ネックは目安であって断定ではない
SEVEN と SEVEN S を、ネックとトウハングの違いで並べます。ヘッド形状(ハーフマレット)、ロフト(3.0度)、標準の長さ(34インチ)は2本とも同じなので、表からは省いています。
| モデル | ネック | トウハング | 中古相場 | 寛容性 | コスパ | 操作性 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| SEVEN | ダブルベンド | フェースバランス | ¥16,380※ | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ |
| SEVEN S | ショートスラント | ハーフ | ¥13,900※ | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
(「※」は美品=AB以上の出物が3本に満たず、在庫にある全ランクの完品から採った中央値)
ここで強調しておきたいのは、ネックの形から決まるのはあくまで目安だという点です。自分のストロークが本当にまっすぐ寄りなのか、弧を描いているのかは、練習グリーンで自分の目で確かめるしかありません。ダブルベンドだから必ずまっすぐ引ける、ショートスラントだから必ず弧になる、というものではなく、同じネックでも人によって構えやすさは変わります。迷ったときは、次の順で考えると整理しやすくなります。
- ミスへの強さと、フェースの向きが変わりにくいことを優先したい人は、SEVEN の側から見る
- 弧を描く感覚がはっきりあり、フェースを使って打ち分けたい人は、SEVEN S の側から見る
- どちらか分からない人は、ネックを決める前に、自分のストロークを確かめる
2本をカードで確認する
ここで、主役の2本をカードで見ておきます。カードに載せた新品定価・中古相場・★は、パターDBの値の転記です。

Odyssey / Stroke Lab Black(2020年)
SEVEN
寛容性 ★★★★☆ / コスパ ★★☆☆☆ / 操作性 ★★☆☆☆
この記事の1本目です。ハーフマレットでフェースバランス、ネックはダブルベンドで、ストレート寄りのストロークの目安になります。長さは34インチ、ロフトは3度。パターDBの初心者向き判定は「向く」です。筆者の使用体験は無いので、使用感は書けません。ミスへの強さとフェースの向きの変わりにくさを優先して見たいときの候補です。

Odyssey / Stroke Lab Black(2020年)
SEVEN S
寛容性 ★★☆☆☆ / コスパ ★★★☆☆ / 操作性 ★★★★☆
この記事の2本目です。ハーフマレットでハーフのトウハング、ネックはショートスラントで、アーク寄りのストロークの目安になります。長さは34インチ、ロフトは3度。パターDBの初心者向き判定は「向かない」で、理由欄にはフェースの開閉を意識して合わせる操作が必要とあります。筆者の使用体験は無いので、使用感は書けません。フェースを使う感覚を残したマレットを見たいときの候補です。
3軸スコアで見る強みと弱み|同じハーフマレットで★が入れ替わる理由
当サイトの3軸スコアは、寛容性(ミスへの強さ)・コスパ・操作性(打ち分けのしやすさ)の3つです。このうち寛容性と操作性は、ヘッド形状とトウハングの組み合わせから決まる設計上の指標で、実際の打ち心地や相性を採点したものではありません。ネックの種類は、この2つの★の計算には入っていません。
寛容性:ハーフマレットではトウハングが小さいほど高い
寛容性は、ヘッドが大きく、トウハングが小さいほど高くなります。ヘッドが大きいと慣性モーメントが大きく、芯を外してもヘッドが回りにくくなります。トウハングが小さいと、ストロークの中でフェースの向きが変わりにくくなります。当サイトの採点表では、ハーフマレットの寛容性はフェースバランスが★4、クォーターが★3、ハーフが★2です。
SEVEN がフェースバランスで★4、SEVEN S がハーフで★2なのは、この表のとおりです。2本とも同じハーフマレットなので、ヘッドの大きさによる差はありません。★が2つ違うのは、トウハングが違うからです。ダブルベンドかショートスラントかというネックの違いは、この★の理由には入っていません。
操作性:寛容性の裏返しになる
ハーフマレットの場合、操作性は寛容性とほぼ裏返しの関係です。フェースバランスが★2、クォーターが★3、ハーフが★4と、トウハングが大きいほど上がります。
| ハーフマレットのトウハング | 寛容性 | 操作性 | この記事の2本 |
|---|---|---|---|
| フェースバランス | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | SEVEN |
| クォーター | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | (この2本にはなし) |
| ハーフ | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ | SEVEN S |
同じハーフマレットのままトウハングだけが違うと、寛容性と操作性の★がきれいに入れ替わります。これは2本の間で見つけた特別な現象ではなく、採点表でそう決まっているだけの結果です。誰が計算しても同じ★になるように作ってある、というのが当サイトの3軸スコアの考え方です。
寛容性と操作性は、おおむね片方が高いほどもう片方が低くなる関係で、両方が★5になるモデルは、採点表の上では存在しません。SEVEN の操作性★2は欠点というより、フェースの向きを変えずに打つことを優先した設計の裏返しです。SEVEN S の寛容性★2も、欠点というより、フェースを使う余地を残した設計の裏返しです。どちらが優れているかではなく、何を優先する設計かが違う、という見方になります。

コスパ:転記した★と、読み方の注意
3つ目のコスパ★は、寛容性・操作性とは決まり方が違います。パターDBの中古価値の区分と、当サイトが実測した中古相場の組み合わせから、当サイトの手順で決まる指標です。この記事の2本は、どちらも筆者の所有モデルではないので、コスパ★はパターDBの値をそのまま転記しています。表やカードのスコア行を見てください。
ただし、コスパ★が低いことは、割高という意味ではありません。★1が付くのは、表に載せた2023年のTRI-HOT 5Kのような新しい高級モデルが多く、新品で欲しい人には、むしろ候補になることもあります。コスパ★は、品質の評価ではなく、価格との関係を見るための指標として読んでください。また、コスパ★は中古相場の実測が更新されるたびに変わりうる値です。この記事に載せた★は、執筆時点のパターDBの値で、将来も同じとは限りません。
初心者向き判定にも触れておきます。SEVEN は「向く」、SEVEN S は「向かない」と登録されています。これは3軸スコアとは別の列ですが、中身はトウハングの違いから来る説明で、寛容性の高低とほぼ同じ方向を向いています。ミスへの強さを優先するなら SEVEN、フェースを使う余地を残すなら SEVEN S、という整理は、この判定とも矛盾しません。
似ているモデルと比べる|前年のStroke Lab、同じ年のTriple Track、3年後のSEVEN
SEVEN と SEVEN S に近いモデルを、パターDBから5本拾いました。ここで比べられるのは、年・シリーズ・インサート・シャフト・ヘッド形状・トウハング・ネック・新品定価・★です。パターDBに列がない部分については、この記事では語りません。
7本を1つの表で見比べる
| シリーズ | モデル | 年 | ヘッド形状 | トウハング | ネック | 中古相場 | 寛容性 | コスパ | 操作性 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Stroke Lab Black | SEVEN | 2020 | ハーフマレット | フェースバランス | ダブルベンド | ¥16,380※ | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ |
| Stroke Lab Black | SEVEN S | 2020 | ハーフマレット | ハーフ | ショートスラント | ¥13,900※ | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
| Stroke Lab | SEVEN | 2019 | ハーフマレット | フェースバランス | ダブルベンド | ¥13,135※ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ |
| Triple Track | SEVEN | 2020 | ハーフマレット | フェースバランス | ダブルベンド | — | ★★★★☆ | — | ★★☆☆☆ |
| EXO | SEVEN CS | 2019 | ハーフマレット | フェースバランス | センターシャフト | — | ★★★★☆ | — | ★★☆☆☆ |
| White Hot VERSA | SEVEN | 2023 | マレット | フェースバランス | ダブルベンド | ¥18,880※ | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ |
| TRI-HOT 5K | SEVEN S | 2023 | マレット | ハーフ | ショートスラント | ¥21,840※ | ★★★☆☆ | ★☆☆☆☆ | ★★★☆☆ |
(「※」は美品=AB以上の出物が3本に満たず、在庫にある全ランクの完品から採った中央値)
表で中古相場とコスパが「—」になっている行は、直近の実測で完品の在庫が当サイトの基準(3本以上)に届かず、中古相場を載せていないものです。中古の額を推測で入れることはしていません。その行のカードには、定価だけを載せています。
この表で言えることを先に整理します。ハーフマレットで、トウハングがフェースバランスの行は、寛容性★4、操作性★2で並びます。ここは採点表の結果なので、年やシリーズが違っても同じになります。違いとして言えるのは、年、シリーズ、ネック、新品定価、そしてヘッド形状の分類(ハーフマレットかマレットか)です。
前年2019年のStroke Lab SEVEN
この記事でいちばん比べ甲斐があるのは、前年2019年の「Stroke Lab」の SEVEN です(日本では「ストローク ラボ シルバー ブラック」の名で売られていたシリーズです)。ヘッド形状はハーフマレット、トウハングはフェースバランス、ネックはダブルベンドで、スペックの列は2020年のStroke Lab Black の SEVEN と同じ並びです。寛容性と操作性の★も同じです。違うのは、年(2019年と2020年)、シリーズ名、シャフトの列、定価、そして価格タグ側です。
シリーズ概要を見ると、Stroke Labは「2019年発売」で、インサートはMicrohinge Insert、シャフトは「STROKE LAB」、特徴として「カーボンとスチールの複合シャフト」が挙げられています。Stroke Lab Blackのインサートも同じMicrohinge Insertで、シャフトの列だけが「STROKE LAB BLACK」に変わっています。ただし、この2つのシャフトの列の違いが、実際にどんな違いを生むのかは、パターDBには書かれていません。ここでは、列の名前が違う、というところまでを事実として書きます。
選び方の使い方としては、こう考えられます。ダブルベンドとフェースバランスの組み合わせそのものがほしくて、年やシリーズ名にこだわりが薄いなら、前年のStroke Labの SEVEN も候補に入ります。2020年のBlackという名前や、オールブラックの見た目にこだわるなら、Stroke Lab Blackの SEVEN が候補です。ただし、パターDBのシリーズ概要では2019年のStroke Labも「Silver Black仕上げ」とされていて、黒系の色づかいは共通です。パターDB上では、この2本の差は、年・シリーズ・シャフトの列・定価・価格タグです。

Odyssey / Stroke Lab(2019年)
SEVEN
寛容性 ★★★★☆ / コスパ ★★★☆☆ / 操作性 ★★☆☆☆
2020年のStroke Lab Blackの前年、2019年のStroke Labにある SEVEN です。ハーフマレットでフェースバランス、ネックはダブルベンドと、SEVEN と同じ並びです。違うのは年とシリーズ名、シャフトの列、定価です。ダブルベンドの SEVEN を、前年のシリーズで見たいときの比較相手になります。
同じ2020年のTriple Trackと、2019年のEXO
同じ2020年には、Triple Trackシリーズにも SEVEN があります。ハーフマレット、フェースバランス、ダブルベンドで、列の上では Stroke Lab Black の SEVEN と同じ位置です。シリーズ概要では、Triple Trackは「3本線のアライメントシステム」を特徴とし、対象は「ボールのラインとパターのラインを揃えたい方」とされています。インサートはMicrohinge Insert、シャフトは「STROKE LAB」と登録されています。つまりこの2本の差は、シリーズ名、シャフトの列、そしてアライメントの設計が列に載っているかどうか、という点です。

Odyssey / Triple Track(2020年)
SEVEN
寛容性 ★★★★☆ / コスパ — / 操作性 ★★☆☆☆
同じ2020年、Triple Trackシリーズの SEVEN です。ハーフマレットでフェースバランス、ネックはダブルベンドで、SEVEN と同じ並びです。中古相場は、直近の実測で完品の在庫が当サイトの基準(3本以上)に届かなかったため載せていません。同じ年の SEVEN を、アライメントの違うシリーズで見たいときの比較相手です。
もうひとつ、2019年のEXOシリーズにも「SEVEN CS」があります。ヘッド形状はハーフマレット、トウハングはフェースバランスで、ネックの列は「センターシャフト」と登録されています。シリーズ概要では、EXOは「ホーゼルをなくしてヘッド重量配分を最適化」した設計とされ、ステンレス・アルミ・タングステンのマルチマテリアルを使うと書かれています。インサートの列は「White Hot Microhinge Insert」で、シャフトの列は「N/A(ホーゼルレス)」です。ここは他の行と構造の考え方がかなり違うシリーズなので、ネックの列だけを見て同じ仲間だと決めずに、シリーズ名まで確かめるのがよいと思います。

Odyssey / EXO(2019年)
SEVEN CS
寛容性 ★★★★☆ / コスパ — / 操作性 ★★☆☆☆
2019年のEXOシリーズにある SEVEN CS です。ハーフマレットでフェースバランス、ネックの列はセンターシャフトで、寛容性と操作性の★は SEVEN と同じです。シリーズ概要ではホーゼルをなくした設計とされています。中古相場は、直近の実測で完品の在庫が当サイトの基準(3本以上)に届かなかったため載せていません。SEVEN の名前を持つヘッドを、ネックの列がセンターシャフトの側で見たいときの比較相手です。
3年後の2023年のSEVENとSEVEN S
3年後の2023年にも、同じ名前のヘッドがあります。White Hot VERSA の SEVEN と、TRI-HOT 5K の SEVEN S です。ここで目を引くのは、ネックとトウハングの列が、2020年の SEVEN と SEVEN S にそれぞれそっくりなことです。VERSA の SEVEN はフェースバランス×ダブルベンド、TRI-HOT 5K の SEVEN S はハーフ×ショートスラントと、2020年の2本と同じ組み合わせになっています。
ところが、ヘッド形状の列は「マレット」で、2020年の2本の「ハーフマレット」とは分類が違います。同じ「SEVEN」の名前でも、パターDBでは形の分類が違う、というのは列で言える差です。この分類の違いがあるために、採点表では寛容性と操作性の★が変わります。VERSA の SEVEN は、マレットでフェースバランスなので、寛容性★5・操作性★1です。TRI-HOT 5K の SEVEN S は、マレットでハーフなので、寛容性★3・操作性★3です。2020年の2本とは、同じトウハングでも、寛容性と操作性の★がそれぞれ1つずつずれています。
シリーズ概要も見ておきます。White Hot VERSAは「黒と白のコントラストカラーリングで構えたときの方向性を視覚的にサポート」とされ、インサートの列は「White Hot Insert」です。TRI-HOT 5Kは「慣性モーメント5000以上」を謳い、インサートの列は「White Hot Insert」、シャフトの列は「STROKE LAB RED」です。ただし、これらはいずれもパターDBに書かれたシリーズの説明で、当サイトで効果を確かめたものではありません。
選び方の使い方としては、こう言えます。2020年の2本と同じ「ネック×トウハング」の組み合わせを、3年後の世代で探したいときの比較相手になります。ただし、形の分類もインサートの列もシリーズも変わるので、「同じ名前だから同じパター」とは考えないほうが安全です。

Odyssey / White Hot VERSA(2023年)
SEVEN
寛容性 ★★★★★ / コスパ ★★☆☆☆ / 操作性 ★☆☆☆☆
3年後の2023年、White Hot VERSAシリーズの SEVEN です。ネックはダブルベンド、トウハングはフェースバランスと、SEVEN と同じ組み合わせですが、パターDBのヘッド形状の列はマレットで、ハーフマレットとは分類が違います。同じ並びのネックとトウハングを、3年後の世代で見たいときの比較相手です。

Odyssey / TRI-HOT 5K(2023年)
SEVEN S
寛容性 ★★★☆☆ / コスパ ★☆☆☆☆ / 操作性 ★★★☆☆
3年後の2023年、TRI-HOT 5Kシリーズの SEVEN S です。ネックはショートスラント、トウハングはハーフと SEVEN S と同じ組み合わせですが、ヘッド形状の列はマレットで、ハーフマレットとは分類が違います。パターDBの初心者向き判定は「向かない」で、SEVEN S と同じです。フェースを使う SEVEN S の並びを、3年後の世代で見たいときの比較相手になります。
最後に、この節の読み方についての注意です。「2020年のStroke Lab Blackは◯◯」と一般化できるのは、この記事の表に載せた範囲までです。同じ年のStroke Lab Blackには、ここで扱わなかった多くのヘッドがあり、それらは別の列を持っています。表に載せた SEVEN と SEVEN S の2本の話を、シリーズ全体の話として読まないようにしてください。
中古で買うときに見るところ
ここからは、SEVEN や SEVEN S を中古で探す場合の話です。この2本は名前が似たモデルがシリーズ違い・年違いで多いので、パターそのものの状態に加えて、「どのモデルか」を取り違えないことが、いちばん最初の確認になります。この記事に載せた中古相場は、当サイトが国内の中古ショップの在庫を実測した値です。表のセルの「※」やカードの( )内の注記は、美品(AB以上)の出物が3本に満たず、在庫にある全ランクの完品から採った中央値であることを示しています。実際の店頭や出品で見る個体の値札と並べるときは、状態を見比べてください。
筆者の基準|中古パターを買うときの4つの確認点
※ここは筆者個人の基準(N=1)です。このモデルを買った話ではなく、中古のパターを買うときに筆者が一般的に確かめている点を、要旨で書いています。
- 偽物のリスク:メルカリでは、ちゃんとしたショップか、明らかに個人の出品かを確かめます。写真が多いか、日本語に違和感がないか、過去の評価はどうかも見ます。場合によっては、AIに写真を見せて判断することもあります。
- シャフトの長さ:筆者は34インチを基準にしています。SEVEN も SEVEN S も、パターDB上の標準は34インチです。
- ヘッドカバーの有無:後から別に買うと、意外と高く付きます。年代物のカバーはひび割れしやすいので、期待しすぎません。
- フェース面の状態:購入前に確認します。
この4点は、SEVEN や SEVEN S に限らない、中古パター全般の基準です。2020年のモデルなので、中古の個体はすでに数年たっています。シャフトの長さやフェース面の状態は、写真だけでは判断しにくい場合もあるので、出品者に質問できるかどうかも、ひとつの目安になります。
このヘッドで取り違えやすいところ
この4点とは別に、パターDBの列から言える、このヘッド固有の取り違えポイントがあります。
- 末尾の「S」:SEVEN と SEVEN S は、ネックがダブルベンドかショートスラントか、トウハングがフェースバランスかハーフかで、性格が分かれます。出品タイトルの末尾に「S」が付くかどうかを、必ず確かめます。
- シリーズ名:同じ「SEVEN」でも、Stroke Lab(2019年)、EXO(2019年)、Stroke Lab Black(2020年)、Triple Track(2020年)、White Hot VERSA(2023年)など、複数のシリーズにあります。シリーズ名と年を見て、取り違えないようにします。
- 名前に SEVEN が付く別ヘッド:BIG SEVEN ARMLOCK や BIG SEVEN TOE UP は、別の製品です。「SEVEN」の文字が入っていても、手前に何か付いていないかを確かめます。
- 「S」が付く別のシリーズ:SEVEN S は、Stroke Lab(2019年)と Triple Track(2020年)にもあります。この2本はヘッド形状・ネック・トウハングの列が Stroke Lab Black の SEVEN S と同じなので、列では見分けられません。シリーズ名と年で見分けます。2023年の TRI-HOT 5K にも SEVEN S がありますが、こちらはヘッド形状の分類も違います。
出品タイトルでは、シリーズ名の「Stroke Lab Black」が省略され、「ストロークラボ」だけで書かれていることもあります。前年2019年のStroke Labも黒系の「シルバー ブラック」仕上げなので、黒いかどうかだけでは見分けにくいところです。パターDBのシリーズ概要では、2020年のStroke Lab Blackはオールブラック版とされています。写真でシルバーの部分があるかを見たうえで、年式の記載を確かめるのが確実です。
主役の2本を中古の棚で見比べるときの順番
ここまでの内容を、棚の前での確認順に並べると、次のようになります。
- ヘッドの形と、ネックの形を見る。ダブルベンドか、ショートスラントか。
- 出品タイトルの末尾に「S」が付くかを見る。
- シリーズ名と年を見る。Stroke Lab Black の SEVEN と SEVEN S なら2020年。
- 長さ(34インチが標準)と、ヘッドカバー、フェース面の状態を見る。
- 最後に値札を見て、カードの相場と並べる。状態の違いを頭に置いておく。
値札を最後に回すのは、先に値札を見ると、取り違えに気づく前に気持ちが決まってしまうことがあるからです。
まとめ:このパターが合う人・合わない人
ここまでの内容を、列の事実だけでまとめます。2020年のStroke Lab Blackの SEVEN と SEVEN S は、同じハーフマレットで、ダブルベンド×フェースバランスの SEVEN と、ショートスラント×ハーフの SEVEN S です。寛容性と操作性の★は、ヘッド形状とトウハングで決まる設計上の指標で、SEVEN は寛容性が高く、SEVEN S は操作性が高い位置にいます。どちらが優れているかではなく、何を優先する設計かが違う、というのが2本の関係です。
SEVENが合いやすい人
- まっすぐ引いてまっすぐ出すイメージが強く、ミスへの強さを優先したい人(目安)
- フェースバランスの構えが好みで、フェースの向きを変えずに打ちたい人
- パターDBの初心者向き判定で「向く」とされるハーフマレットを探している人
SEVEN Sが合いやすい人
- 弧を描くストロークの感覚がはっきりあり、フェースの開閉を使って打ち分けたい人(目安)
- ブレードより大きめのヘッドは欲しいが、フェースバランスほど向きが固定される設計は求めない人
- ネックと構えを試したうえで、自分の型に合わせて選べる人(初心者向き判定は「向かない」)
どちらも合いにくい人
- 打感の良し悪しで選びたい人。パターDBに打感の列が無いため、この記事では判断の材料を出せません
- ミスへの強さを何より優先したい人。採点表では、フェースバランスのマレットのほうがハーフマレットの SEVEN より寛容性の★が1つ上になります(似ているモデルの節の VERSA の SEVEN がその例です)
- ブレード型の形が好きな人。ハーフマレットのこの2本とは、設計の方向が違います
⚠️ 3軸スコアは、ヘッド形状やトウハングから決まる設計上の指標です。実際の打感・構えやすさ・転がりの相性は人によって異なります。候補をしぼり込んだら、最終的にはゴルフショップの試打やフィッティングで、自分の手とストロークで確かめてください。
自分のストロークがまっすぐ寄りなのか、弧を描いているのかが分からないときは、ネックの形で迷う前に、5つの質問に答えるだけのパター診断ツールで傾向をしぼり込むのが近道です。
オデッセイの「#7」という名前がどこまで広がっているかは、まとめ記事のほうで整理しています。また、Stroke Lab世代を今から買ってよいのかという判断は、別の記事で扱っています。この記事で触れたシリーズを、別の角度から見たいときに読んでみてください。
ベストスコア86、アベレージ100のアマチュアゴルファー。
身長177cm、体重78kg前後の中肉中背40代ゴルファーです。
2020年にゴルフ開始。
2022年から本格的に練習をするようになったがなかなか上達せずに120前後から変わらず。
試行錯誤しながら、少しずつ上達中。
関東のゴルフ場がメインの月1~2ゴルファーです。


