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ゼロトルクパターは何が違うのか|全14本のDBで分かった「形では選べない」という結論と、世代別の入口

「ゼロトルク」という言葉だけが、先に耳に入っている状態ではないでしょうか。まっすぐ引いてまっすぐ出せると聞くたびに気になるけれど、店頭で並んでいるのを見ても、自分がいま使っているパターと何がどう違うのかが分かりません。値札は5万円前後。月1ゴルファーが試しに買う額ではありません。流行りに乗って高い買い物をして、結局もとのパターに戻る——いちばん怖いのは、たぶんそこです。

この記事でわかること

  • ゼロトルクパターは当サイトのDBに全部で14本ある(オデッセイの Square 2 Square 系統)
  • 14本すべてが「フェースバランス×センターシャフト」で、形で迷う余地がそもそも無い
  • だから選べるのは長さ(33/34/38/45インチ)と世代(2024/2025/2026)だけ
  • 全14本の早見表(形状・長さ・ロフト・価格・3軸スコア・初心者向き判定)
  • いちばん手が届きやすい世代ほど、状態の良い個体が選びにくいという中古の実測結果
ゼロトルク14本の共通点マップ。ふつうのパターはトーハング4種・ネック5種・形状3種に分かれるのに対し、ゼロトルクの14本はフェースバランスとセンターシャフトの1種類ずつに固まり、形状もマレット12・ハーフマレット1・ブレード1であることを対比表で示した図解

ゼロトルクパターとは何か——DBの14本に共通していたもの

当サイトのパターDBで、シリーズ名に S2S を含むモデルを抜き出すと14本ありました。これがオデッセイのゼロトルク系統です。内訳は Ai-ONE S2S が3本、Ai-ONE S2S CRUISER が4本、Ai-ONE S2S MAX が2本、Ai-DUAL S2S が2本、Ai-DUAL S2S 1/2-BALL が3本。2024年から2026年まで、3世代にまたがっています。

Square 2 Square=オデッセイでのゼロトルクの呼び名

まず名前の話から。S2S は「Square 2 Square」の略で、オデッセイがこの系統に付けているシリーズ名です。DBのシリーズ特性には「Square 2 Square ゼロトルク設計」「センターシャフト+トゥアップバランスでフェースローテーションをゼロに近づける」と記録されています。

中古ショップのカタログを調べていて分かったことがひとつあります。店側の表記は「S2S」ではなく「Square 2 Square」で、型番の末尾に「ZT」が付くものもありました。中古で探すときに「S2S」で検索して出てこないのは、在庫が無いからではなく言葉が違うからです。これは知っておくと探し方が変わります。なお ZT が何の略なのかはメーカーの公表資料で裏が取れていないため、当サイトでは解説しません。

14本すべてが「フェースバランス×センターシャフト」だった

ここからが本題です。この14本をDBで機械集計すると、驚くほどきれいに1点へ収束しました。

  • トーハング=フェースバランスが14本中14本(100%)
  • ネック形状=センターシャフトが14本中14本(100%)

当サイトのDBには全体で300本以上のパターが登録されていて、トーハングは4種類、ネック形状は5種類以上に散らばっています。1種類×1種類にここまで固まる系統は、この14本だけです。

形状のほうも偏っています。マレット12本・ハーフマレット1本・ブレード1本。3軸スコアで見ると、寛容性★5が12本、操作性★1が12本で、スコアの上下で並べ替えるということ自体が成り立ちません。

だから「形で選ぶ」という話にならない

当サイトはふだん、パター選びを「まず3つの形状(ブレード・ハーフマレット・マレット)から入り、次にネックで自分のストローク軌道に合わせる」という順番で説明しています。ゼロトルクは、その入口をメーカー側が先に決めてしまった系統です。

つまり読者にとっての結論はこうなります。ゼロトルクを選ぶというのは、まっすぐ引いてまっすぐ出すことに全振りしたヘッドを選ぶということ。形で迷う余地は最初からありません。この点が、3形状から選ぶ通常のパター選びと前提から違うところです。

なお、センターシャフトそのものはゼロトルク専用の構造ではありません。シャフトがヘッドのどこに刺さっているかという話で、ブレードにもマレットにもあります。ゼロトルクはそこに加えて、トーハングを消し、重心設計まで一式で寄せた系統です。センターシャフト全般の話は別記事にまとめてあります。

ゼロトルク 全14本の早見表

全14本をDBから機械で書き出したものです。スコアと価格はDBの値をそのまま転記しています。中古相場は2026年8月7日の全数実測と、2026年9月1日の月次実測を反映した値です。「—」になっている理由は、後半でまとめて説明します。

シリーズ モデル 形状 トーハング ネック 長さ ロフト 中古相場 新品定価 寛容性 コスパ 操作性 初心者向き
2024 Ai-ONE S2S #7 マレット フェースバランス センターシャフト 34インチ 6.3° ¥26,295 ¥49,500 ★★★★★ ★☆☆☆☆ ★☆☆☆☆
2024 Ai-ONE S2S DOUBLE WIDE マレット フェースバランス センターシャフト 34インチ 6.3° ¥25,880 ¥49,500 ★★★★★ ★☆☆☆☆ ★☆☆☆☆
2024 Ai-ONE S2S JAILBIRD マレット フェースバランス センターシャフト 34インチ 6.3° ¥26,890 ¥49,500 ★★★★★ ★☆☆☆☆ ★☆☆☆☆
2025 Ai-ONE S2S CRUISER #7 ハーフマレット フェースバランス センターシャフト 38インチ 6.3° ¥28,880 ¥56,100 ★★★★☆ ★☆☆☆☆ ★★☆☆☆ ×
2025 Ai-ONE S2S CRUISER DOUBLE WIDE ブレード フェースバランス センターシャフト 38インチ 5.3° ¥56,100 ★★☆☆☆ ★★☆☆☆ ×
2025 Ai-ONE S2S CRUISER JAILBIRD マレット フェースバランス センターシャフト 38インチ 6.3° ¥28,880 ¥56,100 ★★★★★ ★☆☆☆☆ ★☆☆☆☆ ×
2025 Ai-ONE S2S CRUISER JAILBIRD BROOMSTICK マレット フェースバランス センターシャフト 45インチ 4.3° ¥56,100 ★★★★★ ★☆☆☆☆ ×
2025 Ai-ONE S2S MAX 1 マレット フェースバランス センターシャフト 34インチ 6.3° ¥32,880 ¥60,500 ★★★★★ ★☆☆☆☆ ★☆☆☆☆
2025 Ai-ONE S2S MAX STRIPE マレット フェースバランス センターシャフト 33インチ 6.3° ¥32,880 ¥60,500 ★★★★★ ★☆☆☆☆ ★☆☆☆☆
2026 Ai-DUAL S2S #7 マレット フェースバランス センターシャフト 34インチ 5.0° ¥45,880 ¥49,500 ★★★★★ ★☆☆☆☆ ★☆☆☆☆
2026 Ai-DUAL S2S JAILBIRD マレット フェースバランス センターシャフト 34インチ 5.0° ¥39,880 ¥49,500 ★★★★★ ★☆☆☆☆ ★☆☆☆☆
2026 Ai-DUAL S2S 1/2-BALL MAX マレット フェースバランス センターシャフト 34インチ 5.0° ¥55,000 ★★★★★ ★☆☆☆☆
2026 Ai-DUAL S2S 1/2-BALL CRUISER MAX マレット フェースバランス センターシャフト 38インチ 5.0° ¥55,000 ★★★★★ ★☆☆☆☆ ×
2026 Ai-DUAL S2S 1/2-BALL BROOMSTICK MAX マレット フェースバランス センターシャフト 45インチ 3.0° ¥55,000 ★★★★★ ★☆☆☆☆ ×

コスパ★について先に断っておきます。★1が9本、残る5本は「—」です。この指標は中古相場から機械的に決まるもので、発売から日が浅い高価格帯のモデルは自動的に★1になります。「—」は評価が低いという意味ではありません。「—」の5本は、早見表で中古相場が「—」になっている5本とそのまま同じで、材料の中古相場が無いので計算そのものが成立せず、★を出していないという意味です。材料が無いまま★1(=割高)を表示することはしていません。いずれにせよこの記事では、コスパ★を優劣の根拠として使いません

ゼロトルクは誰に向くのか——DBの判定をそのまま出す

「どんな人に向くのか」を、当サイトの主観ではなくDBの数字で説明します。

寛容性★5・操作性★1が12本=打ち分けを捨てて方向性を取る道具

当サイトの3軸スコアのうち、寛容性と操作性はヘッド形状とトーハングの組み合わせから決定的に計算されます。誰が計算しても同じ数字が出る仕組みです。

マレット×フェースバランスは、ヘッドが大きく慣性モーメントが最大で、なおかつフェースの開閉が最小という組み合わせなので、寛容性は最高の★5になります。打点が芯を外しても顔の向きが残る、という意味です。同じ理由で操作性は★1。フェースを開いて閉じて球筋を作るという打ち方には向きません。

そして寛容性と操作性は両立しません。物理的に逆方向を向いた指標なので、両方★5というパターは存在しません。ゼロトルクの14本のうち12本がこの★5/★1の組み合わせだということは、打ち分けを捨てて方向性を取りにいく道具だと、DBがはっきり言っているのと同じです。

これは裏を返せば、いま自分がフェースを返して打つタイプなら、噛み合わない可能性が高いということでもあります。まっすぐ引いてまっすぐ出す打ち方をしている(あるいはそうしたい)人向けの系統です。

初心者向き判定は8/14がTRUE。FALSEの6本はすべて38インチ以上

DBには、モデルごとに「初心者向きかどうか」の判定と、その理由文が入っています。ゼロトルク14本では8本がTRUE・6本がFALSEでした。

ここで大事なのはFALSEの理由が形状でも価格でもなかったことです。6本すべての理由文が「中尺・長尺パターは特殊な打ち方が必要。通常の34インチから始めるのが安全。」で、FALSEの6本はいずれも38インチ以上でした。ゼロトルク設計そのものが初心者に向かないと判定されているわけではありません。

逆にTRUE側の8本には「センターシャフト設計で完全フェースバランス。ストロークが直線的な人に向き、ミスヒットにも寛容」という趣旨の理由が付いています。まっすぐ構えられているか不安な人との相性は、DB上は良いという判定です。

選べるのは長さだけ——33/34/38/45インチの4段階

形で迷う余地が無いと書きました。では何を決めることになるのか。答えは長さです。

14本の長さの内訳は、34インチが7本・38インチが4本・45インチが2本・33インチが1本。この4段階が、そのまま買い物の分岐になります。

34インチの7本が、事実上の入口

当サイトのDBに登録されている300本超のパターのうち、9割以上が34インチです。34インチは標準というより既定値で、ゼロトルクでも同じ構図になっています。ゼロトルクを試してみたいという段階の人が見るべきなのは、まずこの7本です。

33インチが1本だけあります(2025年の MAX STRIPE)。身長や構えによっては1インチ短いほうが合う人もいますが、選択肢は1本しかないので「短いほうを選ぶ」という選び方は現実にはできません。

38インチ以上の6本は「特殊な打ち方が前提」とDBが判定している

38インチが中尺、45インチが長尺(ブルームスティック)です。上で見たとおり、この6本はDB上すべて初心者向き=FALSEで、理由も揃っています。

ここは正直に書きます。ゼロトルクは形で迷わなくてよい代わりに、長さの決断がそのまま買い物の決断になります。しかも中尺・長尺は構え方そのものが変わるので、34インチのつもりで買って合わなかった場合、フォームごと作り直すことになります。値札が5万円台であることを考えると、ここは試打で確かめる価値がいちばん高い部分です。

ゼロトルク14本を長さ(33/34/38/45インチ)と世代(2024/2025/2026年)の2軸マトリクスで集計した図解。34インチが7本で入口となり、38インチ以上の6本は中尺・長尺で特殊な打ち方が前提であることを示す

世代で「入口」が変わる——2024/2025/2026

もうひとつ選べるのが世代です。ここは中古の事情が絡むので、実測したことをそのまま書きます。この記事を書くにあたって、14本すべてについて中古ショップ(ゴルフドゥ)の在庫を機械で調べました(2026年8月7日に全数、2026年9月1日に月次で再実測)。

いちばん手が届きやすい世代が、いちばん状態が悪い

中古で最も現実的な価格帯にいるのは、いちばん古い2024年の Ai-ONE S2Sです。ただし、値ごなれしているという言い方は正確ではありませんでした。

実測の内訳がこうだったからです。#7 は在庫12本すべてがCランクとDランク(C9本・D3本)。JAILBIRD は在庫29本のうちBランクが1本で、残り28本がCとD。つまりこの2本には、美品クラス(ABランク以上)の完品が棚に1本も無いということです。3本目の DOUBLE WIDE は9月の実測でAランクとSランクが1本ずつ出ていましたが、それでも当サイトが相場を出すいちばん厳しい条件(AB以上の完品が3本以上)には届いていません

一方、1年新しい2025年の MAXは様子が違いました。MAX 1 は在庫36本のうちSランク7本・Aランク2本と、状態の良い個体が実在します。

ですから「2024年が安い」のではなく、価格差の一部は状態差です。この構図は、初心者向けのパター選びをまとめた記事で書いた「価格より状態ランクを見る」という話とまったく同じです。

状態を選んで買えるのは2025年のMAX

2025年の MAX 2本は、当サイトが中古価格を出すときのいちばん厳しい条件(ABランク以上の完品が3本以上ある)をクリアしています。8月の時点ではこの2本だけでしたが、9月の月次実測で2026年の Ai-DUAL S2S #7 が加わり、条件を満たすのは14本中3本になりました。そのなかで在庫の厚みが際立つのが MAX 1 で、在庫36本にSランク7本・Aランク2本を含みます。状態を重視して選ぶなら、まずこの2本という読み方になります。

2025年にはもうひとつ CRUISER という中尺・長尺のラインがありますが、こちらは38インチと45インチなので、月1ゴルファーの主戦場ではありません。

2026年の Ai-DUAL は、中古が出はじめたところ

最新世代の Ai-DUAL S2S は5本あります。8月の実測では棚に完品が数本しか無く中古の値を出せませんでしたが、9月の月次実測で5本のうち2本(#7 と JAILBIRD)の相場が出せるようになりました。とくに #7 は、AB以上の完品が3本以上という条件をこの世代で満たしています。残る3本(1/2-BALL の3モデル)は、いまも値を出せていません。新品定価は Ai-DUAL S2S が定価 ¥49,500、1/2-BALL の上位ラインが定価 ¥55,000です。新品と中古のどちらで入るかは、早見表で定価と中古相場を並べて比べてください

Ai-ONE と Ai-DUAL のインサートの違いそのものは、別記事で比較しています。

中古の値が「—」になっている5本について

早見表で中古相場が「—」の5本には、2つの別々の理由があります。混ぜると誤解を招くので分けて書きます。8月の時点では「—」は9本ありましたが、9月の月次実測で4本に値が入り、5本に減りました

  • 中古ショップのカタログでモデルを同定できなかった4本(Ai-ONE S2S CRUISER の DOUBLE WIDE と JAILBIRD BROOMSTICK、Ai-DUAL S2S 1/2-BALL の CRUISER MAX と BROOMSTICK MAX)。店側の表記に一致するカードを見つけられなかったという意味で、在庫があるかどうかも確認できていません。「流通していない」という意味ではありません。
  • 在庫は見つかったが、当サイトの表示ルールの条件に届かなかった1本(Ai-DUAL S2S 1/2-BALL MAX)。美品の完品が1本しか無く、中央値を出すには標本が薄すぎました。1本の値をそのまま相場として出すと、たまたまの1本に読者を引っ張ってしまいます。8月はここに5本が並んでいましたが、残る4本は9月の実測で在庫が増え、全ランクの完品から中央値を出せる本数に届きました(美品だけの相場ではないので、早見表の値は状態の幅を含みます)。

数字が入っていないことにも情報がある——そう読んでいただければと思います。

ゼロトルク 代表5本——世代と長さで並べる

ここまでの見方をふまえて、代表5本を挙げます。ひとつだけ、これまでの記事と違う点があります。この記事の5本はスコア順に並んでいません。寛容性★5・操作性★1が並び、コスパ★も値が出ている9本はすべて★1という系統なので、スコアで序列を作ることができないからです。代わりに世代と長さの順で並べました。スコアと価格はDBの値をそのまま転記しています。

また、後半2本は38インチの中尺で、DB上は初心者向き=FALSEです。「おすすめ5選」ではなく、14本の幅を見せるための代表例として読んでください。

中古の入口は2024年の3本——形がいちばん分かりやすいのがこれ(2024 Ai-ONE S2S JAILBIRD)

Odyssey Ai-ONE S2S JAILBIRD

Odyssey / Ai-ONE S2S(2024年)

JAILBIRD

マレットまっすぐ向き(フェースバランス)中古相場 ¥26,890

寛容性 ★★★★★ / コスパ ★☆☆☆☆ / 操作性 ★☆☆☆☆

寛容性★5は、マレット × フェースバランスというDB上で最大値になる組み合わせから来ています。ヘッドが大きく慣性モーメントが最大で、センターシャフトによってフェースの開閉が最小に抑えられているため、打点が芯から外れても顔の向きが残ります。操作性★1はその裏返しで、球筋を打ち分ける道具ではありません(この2つは両立しないので、方向性を取りにいく人には気になりません)。JAILBIRD は上から見たときにレールが2本走っているような形で、まっすぐ構えられているかを目で確認しやすいのが持ち味です。長さは34インチ。ゼロトルクを中古から試すなら、現実的な価格帯にいるのは2024年の3本です。3本の中古相場はほぼ横並び(早見表で見比べてください)なので、ここで JAILBIRD を挙げているのは値段が理由ではなく、向きを目で確かめやすい形だからです。ただし今回の実測では在庫29本のうち美品クラス(ABランク以上)の完品はゼロでした。上の相場は全ランクの完品中央値で、美品の相場ではありません。状態は必ず現物か写真で確かめてください。

状態で選ぶならここ——美品の在庫がいちばん厚い(2025 Ai-ONE S2S MAX 1)

Odyssey Ai-ONE S2S MAX 1

Odyssey / Ai-ONE S2S MAX(2025年)

1

マレットまっすぐ向き(フェースバランス)中古相場 ¥32,880

寛容性 ★★★★★ / コスパ ★☆☆☆☆ / 操作性 ★☆☆☆☆

MAX は、名前のとおりS2S設計のヘッドを大型化したラインです。スコアの組み合わせは上の JAILBIRD と同じ★5/★1ですが、DBが持っている数字で差が出ないぶん、この1本の価値は中古市場の側にあります。9月の実測時点で、14本のうち美品クラス(ABランク以上)の完品が3本以上あるのは3本——MAXの2本と、2026年の Ai-DUAL S2S #7 です。そのなかで在庫がいちばん厚いのがこの MAX 1で、在庫36本の内訳にSランク7本・Aランク2本を含みます。つまり状態の良い個体を、複数の在庫から選べる。長さは34インチ。「せっかく買うなら、きれいな個体で始めたい」という人にとって、選択肢がいちばん多いのがこの1本です。

最新世代なのに、中古の値がもう出はじめた(2026 Ai-DUAL S2S JAILBIRD)

Odyssey Ai-DUAL S2S JAILBIRD

Odyssey / Ai-DUAL S2S(2026年)

JAILBIRD

マレットまっすぐ向き(フェースバランス)中古相場 ¥39,880

寛容性 ★★★★★ / コスパ ★☆☆☆☆ / 操作性 ★☆☆☆☆

2026年の最新世代です。スコアの構造は2024年の JAILBIRD と同じ★5/★1で、DBが持っている数値の上では違いが出ません。変わっているのはインサートで、Ai-ONE系からAi-DUAL系へ切り替わっています。打感や転がりがどう変わるかは、当サイトでは実測していないので書きません。この1本の意味は、最新世代なのに中古の値がもう出はじめているという点にあります。8月の実測では標本が足りず相場を出せませんでしたが、9月の月次実測で全ランクの完品8本から中央値を出せるようになりました(上のタグの額がそれです)。ただし美品だけの相場ではありません。在庫の内訳はBランク2本・Cランク5本・Sランク1本で、状態には幅があります。長さは34インチで、DB上の初心者向き判定もTRUE。新品で確実に取るか、状態を見極めて中古で取るか——早見表で定価と見比べて決める1本です。

14本で唯一のハーフマレット、ただし中尺(2025 Ai-ONE S2S CRUISER #7)

Odyssey Ai-ONE S2S CRUISER #7

Odyssey / Ai-ONE S2S CRUISER(2025年)

#7

ハーフマレットまっすぐ向き(フェースバランス)中古相場 ¥28,880

寛容性 ★★★★☆ / コスパ ★☆☆☆☆ / 操作性 ★★☆☆☆

14本のなかでただ1本のハーフマレットです。寛容性が★5ではなく★4になっているのは、ヘッドがマレットより小ぶりで慣性モーメントが一段落ちるから。フェースバランスである点は他と同じなので、開閉の少なさは変わりません。操作性が★1ではなく★2なのも同じ理由の裏返しです。ここがゼロトルクの中で「形の選択肢」が唯一もう1つあった場所ということになります。ただし長さは38インチの中尺で、DBの初心者向き判定はFALSE。理由も「中尺・長尺は特殊な打ち方が必要」と明記されています。34インチのつもりで買う1本ではありません。中尺の構えを試したい人向けの例外カタログとして挙げています。中古は9月の月次実測で相場を出せるようになりましたが、在庫7本の内訳はCランク6本とDランク1本で、美品はひとつもありません。上のタグは全ランクの完品中央値です。

14本で唯一のブレード——ゼロトルクの端っこ(2025 Ai-ONE S2S CRUISER DOUBLE WIDE)

Odyssey Ai-ONE S2S CRUISER DOUBLE WIDE

Odyssey / Ai-ONE S2S CRUISER(2025年)

DOUBLE WIDE

ブレードまっすぐ向き(フェースバランス)新品定価 ¥56,100

寛容性 ★★☆☆☆ / コスパ — / 操作性 ★★☆☆☆

14本でただ1本のブレードです。寛容性が★2まで落ちているのは、ブレード形状ではヘッドの慣性モーメントがそもそも小さく、フェースバランスであってもマレットの★5には届かないから。操作性は★2で、ブレードとしては低めです。普通のブレードなら操作性★4〜★5が出るところを、フェースバランスにしたことで打ち分けの余地が消えている——このカードは、ゼロトルク設計が形状より優先されていることを示す一例です。ロフトも5.3°で、他の6.3°とは別の設定になっています。長さは38インチの中尺で、初心者向き判定はFALSE。ブレードの見た目のままゼロトルクを試したいという、かなり限定された需要に対する1本だと考えてください。中古はカタログ上で同定できず、在庫の有無自体が確認できていません。

Ai-ONE の標準ライン(ゼロトルクではない通常のシリーズ)と迷っている場合は、そちらのガイドも用意しています。同じ Ai-ONE でも、形とネックを自分で選べるのは標準ラインのほうです。

まとめ——ゼロトルクは「形で選ぶ道具」ではない

ゼロトルクパターについて、当サイトのDBで分かったことを3点に整理します。

14本すべてがフェースバランス×センターシャフトでした。形状もマレットが12本を占め、3軸スコアも寛容性★5・操作性★1に固まります。ゼロトルクを選ぶというのは、まっすぐ引いてまっすぐ出すことに全振りしたヘッドを選ぶということで、形で迷う段階が最初から存在しません。

選べるのは長さと世代だけです。長さは34インチ7本が入口で、38インチ以上の6本はDB上すべて初心者向き=FALSE。理由も「中尺・長尺は特殊な打ち方が必要」で揃っています。形で迷わなくてよい代わりに、長さの決断がそのまま買い物の決断になります

世代で入口が変わります。中古で最も手が届きやすいのは2024年の3本ですが、実測ではそのうち2本に美品クラスの完品が棚にありませんでした。状態の良い個体を複数から選べるのは2025年のMAX。最新世代の2026年 Ai-DUAL も、9月の実測で中古の値が出はじめています。この系統では、値札より状態ランクのほうが後悔に効きます

冒頭に書いた「流行りに乗って高い買い物をして、結局もとのパターに戻る」のを避ける方法は、たぶんひとつです。自分のストロークがまっすぐ引くタイプなのかどうかを先に確かめること。そこが噛み合っていれば、ゼロトルクは強力な味方になりますし、噛み合っていなければ、5万円を出しても手が違和感を訴え続けます。オデッセイ全体からの選び方は、ブランドのガイドにまとめてあります。

⚠️ 3軸スコアは、ヘッド形状やトーハングから決まる設計上の指標です。実際の打感・構えやすさ・転がりの相性は人によって異なります。候補をしぼり込んだら、最終的にはゴルフショップの試打やフィッティングで、自分の手とストロークで確かめてください。とくにゼロトルクは打ち方の前提そのものが変わる系統なので、試打の価値がふだんより高い部類に入ります。データは遠回りを減らす地図であって、最後の1本を決めるのはあなた自身です。

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