ショートコースは初心者が行くところ。私はそう思って、しばらく予約リストから外していました。パー3ばかりのコースを回っても、練習になっている気がしなかったからです。ところが自分のラウンド台帳を数え直してみたら、思っていたのとは違う形が出てきました。ショートコースのラウンドは、18ホールのコースより30打近く少ないスコアで終わっています。それなのに、パットを打った回数だけはほとんど変わっていませんでした。
この記事でわかること
- ショートコース30ラウンドと18ホール88ラウンドで、スコアの差は27.5打。パット数の差は2.0打だった
- ショートコースでは1ラウンドの打数の47.0%がパット。18ホールのコースでは36.3%
- 同じ2022〜2023年で揃えると、パットはむしろショートコースのほうが4打少ない(35.0 対 39.0)
- それでも「ショートコースに通えばパットが上達する」とは書けない(相関はn=30で符号が反転する)
- 言えるのは量の話。同じ回数のパットを、はるかに少ないショットで打てるということ

「ショートコースは初心者の場所」だと思っていました
まず前提の共有からです。私は自分のラウンドを1行ずつ記録していて、台帳には121ラウンドぶんの行があります。このうちパット数を書き忘れた3ラウンドを外し、118ラウンドを対象にしました。この3行はパットが0打だったのではなく、単に書き忘れた行です。0打として平均に混ぜると数字が壊れるので落としています。
118ラウンドの内訳は、ショートコースが30ラウンド、18ホールの通常コースが88ラウンドでした。
どこまでを「ショートコース」と呼んだか
台帳にはコース種別の列がありません。そこで「そのコースでのスコア中央値が85打を下回るコース」をショートコース扱いにしました。この線引きは私の別記事とまったく同じ規則で、2本の記事が違うものを「ショートコース」と呼んでしまう事故を避けるために揃えています。
この線が恣意的でないことは、数字のほうが示してくれました。コースごとのスコア中央値を小さい順に並べると62.5・70.0・73.5・82.0ときて、次は90.0まで飛びます。83打から89打のあいだに入るコースが1つも無いので、線を83打に引いても89打に引いても、選ばれるコースは同じ4つです。しきい値の置き方で結論が変わる心配はありませんでした。
数え方の注意も先に書いておきます。この分類はラウンド単位ではなくコース単位です。ですからショートコース30ラウンドの中にも、スコアが85打以上だった日が3ラウンド混じっています(いずれも同じ1コースで、うち1日は104打でした)。うまくいかなかった日を都合よく外していない、という意味でもあります。
なぜ18ホールのコースとそのまま比べられるのか
ここが今回いちばん大事な前提です。ショートコースと18ホールのコースを同じ土俵に乗せてよいのか、という疑問が当然出てきます。
確かめ方はパーオン率でした。台帳のパーオン率は「18ホール中いくつ乗ったか」を百分率にした値なので、18を掛けて100で割れば整数に戻るはずです。全121行でこれを計算したところ、整数にならない行は1つもありませんでした。つまり私の台帳は、ショートコースのラウンドも18ホール分として記録されているということです。9ホールを2周した日が多いはずですが、台帳は周回数の列を持っていないので、そこは断定しません。分かるのは「18ホール分として入っている」ところまでです。
ついでに分かったこともあります。パーオン率そのものでは、ショートコースと18ホールのコースは分かれませんでした。中央値はショートコース19.4%、18ホールのコース16.7%で、ほとんど同じです。パー3が多いから乗せやすい、という話には私の記録ではなっていませんでした。だからこそ、コース種別の判定にはスコアの中央値を使っています。
30ラウンド数えて分かったのは、減るのがショットだけだということ
それでは本題です。118ラウンドを2つに分けて、スコア・ショット数・パット数の中央値を並べたのが下の表です。ショット数は「スコア−パット数」で出しています(この引き算が全118行で成立することも確認済みです)。
| ラウンド数 | スコア | ショット | パット | 打数に占めるパット | |
|---|---|---|---|---|---|
| ショートコース | 30 | 74.5 | 40.0 | 35.0 | 47.0% |
| 18ホールのコース | 88 | 102.0 | 65.0 | 37.0 | 36.3% |
いずれも中央値です。平均で出してもショートコース35.0打・18ホールのコース37.0打で、同じ形になりました。
1つだけ表の注意書きを。3つの中央値は、それぞれ別に並べ替えて出しています。ですからショートコースの行は、ショット40.0とパット35.0を足しても75.0で、スコアの中央値74.5にちょうどは戻りません(0.5打ずれます。18ホールのコースはたまたま一致しています)。中央値は足し算が成り立たない値なので、比べるときは同じ行どうしではなく、同じ列を上下で見てください。
スコアは27.5打少ないのに、パットは2.0打しか少ない
表の読み方はこうです。スコアの中央値の差は27.5打あります。ところが列ごとに見ていくと、ショットの中央値は25.0打も違うのに、パットの中央値は2.0打しか違いません。差はほとんどショット側だけで起きています。
言い方を変えると、ショートコースに行くとショットは大きく省略されるのに、パットは18ホール分がそのまま残るということです。ラウンド1回で握るパターの回数は、本コースに行った日とほとんど変わりません。
1ラウンドの打数の47.0%がパットになる
同じことを比率で見ると、もう少しはっきりします。ショートコースでは1ラウンドの打数の47.0%がパットで、ほぼ半分です。18ホールのコースでは36.3%ですから、1割以上パットの比重が上がっています。
この47.0%という数字の出し方も書いておきます。これはパットの中央値をスコアの中央値で割った値で、1ラウンドずつ比率を出してその中央値を取ると46.0%になります(18ホールのコースは35.6%)。どちらの数え方でも「ショートコースの打数はほぼ半分がパット」という形は変わりません。
実質は2コースです(nの小ささを隠さないために)
30ラウンドの内訳も出しておきます。数字を大きく見せるために少ないラウンドを混ぜていないか、読む側が確かめられるようにするためです。
| コース | ラウンド数 | パット中央値 | スコア中央値 |
|---|---|---|---|
| シーサイドゴルフ木更津 | 18 | 34.5 | 73.5 |
| 熊谷ショートコース(閉鎖) | 9 | 37.0 | 82.0 |
| 江戸川ラインゴルフ松戸コース | 2 | 33.5 | 62.5 |
| 花咲カントリー倶楽部 | 1 | 31.0 | 70.0 |
見てのとおり実質は上の2コースで27ラウンドです。下の2つはラウンド数が2と1なので、この記事では個別に語りません。1回や2回の記録から何かを読み取ろうとすると、その日の出来をコースの性質だと勘違いすることになるからです。コース名を出していますが、これは私の記録であってコースの評価ではありません(1つはすでに閉鎖しています)。

時期を揃えても、結論は変わりませんでした
ここでひとつ疑いを持ちました。ショートコースに通っていたのが下手だった時期に偏っていれば、この比較は成立しません。調べると、ショートコースの30ラウンドは全部が2022年と2023年に入っていました(2022年に3ラウンド、2023年に27ラウンド)。ならば18ホールのコースも同じ2年だけに揃えて比べ直すべきです。
| 2022〜2023年のみ | ラウンド数 | スコア | ショット | パット |
|---|---|---|---|---|
| ショートコース | 30 | 74.5 | 40.0 | 35.0 |
| 18ホールのコース | 24 | 106.5 | 68.5 | 39.0 |
同時期で比べると、むしろパットは4打少ない
時期を揃えると、パットはショートコースのほうが4.0打少なくなりました(35.0対39.0)。全期間で比べたときの2.0打差より、差が開いています。つまり「ショートコースだからパット数が水増しされている」という向きの疑いは、この台帳からは出てきません。
もっとも、これは2022〜2023年の私が18ホールのコースで特にパットを打っていたという話でもあります。同じ計算を2024年以降でやると18ホールのコースは36.0打まで下がるので、39.0打という数字には当時の私の状態が含まれています。だから私はこの4打差のほうを主張にはしません。主張にするのは、最初の表で見た「回数の桁が同じ」という一点だけです。
それでも「上手くなる」とは書けません
ここは正直に線を引きます。「ショートコースに通うとパットが上達する」とは、この台帳では書けません。
理由は相関の弱さです。ショット数とパット数の相関を取ると、ショートコース30ラウンドでは+0.320、18ホールのコース88ラウンドでは+0.104でした。ところがラウンド数のいちばん多いシーサイドゴルフ木更津の18ラウンドだけに揃えると、−0.296と符号が逆になります。母数の取り方で向きが変わる数字は、根拠として使えません。上達したかどうかを見るにはホールごとの内訳や同じ時期の練習量まで必要で、私の台帳にはその列がないのです。
ですから、この記事が言えるのは量の話だけです。ショートコースに行くと、本コース1ラウンドとほぼ同じ回数のパットを、はるかに少ないショットで打てる。上達するかどうかは、その回数で何をするかの側にあります。
だから、パターを替えた月にこそショートコースへ行きます
ここから先は、この結果をどう使っているかの話です。私はパターを買い替えたり、構え方を変えたりした月に、ショートコースの予約を1つ入れるようにしました。理由は上の数字がそのまま答えになっています。1回で35回前後パットを打てる場所は、そう多くありません。
練習グリーンと違うのは「同じ場所から2回打てない」こと
練習グリーンでも数は打てます。むしろ数だけなら練習グリーンのほうが打てるでしょう。違いはやり直しがきくかどうかです。練習グリーンでは同じラインを何度でも打ち直せますが、コースの上では1球目がすべてです。傾斜も距離も、次のホールでは別のものに変わります。
ショートコースの18ホール分というのは、やり直しのきかないファーストパットが18回あるということです。新しいパターの向きが自分に合っているか、下りがどれくらい転がるかは、この形でないと確かめにくいと私は思っています。ここは筆者個人の感想(N=1)としてお読みください。
費用と持ち物、そして一人で行けるかどうか
ショートコースは本コースより費用も時間も小さく収まります。具体的な料金は行き先で変わりますし、私が実際に通ったコースのレポートに数字を書いているので、そちらに任せます。練習メニューの組み立て方も別記事にまとめてあります。
初めて行くときに引っかかりやすいのは、クラブを何本持っていくかと、一人で予約して浮かないかの2点だと思います。どちらも別記事で整理しています。
試す前に、候補を3つの形に絞っておく
35回のパットは多いようで、あれこれ試すには足りません。当日に何を確かめるかを決めておかないと、ただ回って終わります。そこで道具の側の話に橋を架けます。
当サイトのパターDBは、全モデルをヘッド形状とトーハング(構えたときにフェースが下を向こうとする度合い)から機械的に採点しています。寛容性はミスへの強さで、ヘッドが大きくストローク中のフェース開閉が少ないほど高くなり、マレット×フェースバランスが最大の★5です。操作性はその裏返しで、ブレードほど、トーハングが大きいほど高くなります。この2つは物理的に反対を向いているので、両方★5のパターは存在しません。コスパは中古相場と中古での価値の残り方を掛けた点で、★1は割高という意味ではなく、新品で買う前提の高価格帯が並びます。
下の3本は、その3つの形を1本ずつ並べたものです。3本とも2019年に出た型で揃えました。同じ年の中から選ぶと、年式の新しさではなく形の違いだけを見比べられるからです。長さはいずれも34インチ、ロフトは3度で揃っています。中古相場は当サイトが国内の中古ショップ在庫を実測した値です。

Odyssey / EXO(2019年)
SEVEN MINI
寛容性 ★★★★★ / コスパ ★★★☆☆ / 操作性 ★☆☆☆☆
3本のうちいちばん方向を道具に預ける側です。寛容性★5の理由は形と付け根で説明できます——ヘッドはマレットで慣性モーメントが最大、トーハングはフェースバランスなのでストローク中のフェース開閉が最小になります。この組み合わせが採点表の最上段で、芯を外しても向きが変わりにくい設計です。裏返しに操作性は★1で、球筋を自分で作る余地はほとんど残りません。ショートコースの18ホールで確かめたいのは、この安心感が窮屈に感じないかどうかです。練習グリーンの平らなラインでは違いが出ませんが、下りや傾斜が混じると好みがはっきり分かれます。コスパ★3は今回の3本で最上位タイ——中古が値ごなれしていて、中古での価値の残り方が中位である掛け合わせの結果です。長さは34インチ、ロフト3度、DB上の初心者向き判定はTRUE。中古の状態は個体ごとに確認してください。

PING / SIGMA2(2019年)
Half Pipe
寛容性 ★★★★☆ / コスパ ★★★☆☆ / 操作性 ★★☆☆☆
1本目から1段だけ操作性側へ寄せた位置です。寛容性★4はハーフマレットという形から来ます——トーハングはフェースバランスのままなのでフェース開閉は最小ですが、ヘッドがマレットより小さいぶん慣性モーメントで1段譲る、というのが採点表の読み方です。その分だけ操作性は★2に上がります。「大きいヘッドは安心だが、構えたときの見た目が重い」と感じる人の落としどころがこのクラスで、当サイトのDBではハーフマレット自体が近年少数派になっています。18ホール回ってみて1本目のマレットとの違いが分かるかどうか——分からないなら、あなたはヘッドの大きさを気にしなくてよい人だ、という判定にもなります。コスパ★3は中古相場と価値の残り方の掛け合わせです。長さは34インチ、ロフト3度、DB上の初心者向き判定はTRUE。

Odyssey / Stroke Lab(2019年)
DOUBLE WIDE FLOW
寛容性 ★☆☆☆☆ / コスパ ★★★☆☆ / 操作性 ★★★★★
反対側の端です。操作性★5はブレード×ハーフトーハングという組み合わせ——ヘッドが小さく、ストローク中にフェースがしっかり開いて閉じるので、球の出だしを自分の手で作れます。裏返しに寛容性は★1で、芯を外したミスは打った本人に返ってきます。DB上の初心者向き判定はFALSEで、理由も「ショートスラント設計でセミアーク〜アーク向き。操作性を求める中級者以上向け」と登録されています。それでもこの3本目を置いたのは、引く動きが弧を描く人にとっては、こちらのほうが素直に振れることがあるからです。自分がどちらなのかは、18ホール打ってみるといちばん分かります。コスパ★3は中古が値ごなれしていることの反映で、試してみる1本としては手が届く位置にあります。長さは34インチ、ロフト3度。
⚠️ 3軸スコアはヘッド形状とトーハング、そして中古相場から機械的に決まる設計上の指標です。打感やヘッドの見え方、構えたときの安心感は人それぞれで、点数では表せません。候補を2〜3本まで絞ったら、最終的には試打やフィッティングで自分の手で確かめてから決めてください。この記事が言っているのは、その「自分の手で確かめる」場所として、ショートコースの18ホールが使えるということです。
まとめ:ショートコースは「パターを18ホール試す場所」だった
自分の118ラウンドをショートコースと18ホールのコースに分けて数え直して、残ったのは次の3つでした。
- スコアは27.5打違うのに、パット数の差は2.0打。減っているのはショット側だけだった
- ショートコースでは1ラウンドの打数の47.0%がパット。18ホールのコースの36.3%より1割以上高い
- ただし「通えば上達する」とは書けない。相関は母数の取り方で符号が変わる
私がこの結果から変えたのは、ショートコースの位置づけでした。初心者が行く場所ではなく、パターを18ホール試せる場所として予約に入れています。新しいパターを手に入れた月、構え方を変えた月、パットが噛み合わなくなった月。そういうときの1回を、本コースではなくショートコースに充ててみるということです。
もう1つおすすめしたいのは、次のラウンドでパット数だけ数えてみることです。スコアカードの端に印を足していくだけで、この記事と同じ計算が自分の記録でもできます。私の場合、それを続けたら思い込みが1つ崩れました。
パター選びそのものを最初から整理したい方は、こちらから読んでみてください。
まずは次の1回を、ショートコースで取ってみてください。ショットは減りますが、パットは18ホール分そのまま手に入ります。
予約サイトによって載っているコースも料金プランも違います。近くのショートコースが見つからないときは、もう一方も見てみてください。
ベストスコア86、アベレージ100のアマチュアゴルファー。
身長177cm、体重78kg前後の中肉中背40代ゴルファーです。
2020年にゴルフ開始。
2022年から本格的に練習をするようになったがなかなか上達せずに120前後から変わらず。
試行錯誤しながら、少しずつ上達中。
関東のゴルフ場がメインの月1~2ゴルファーです。








